ヨーロッパを周遊する際に使える格安交通機関の代表格はバスです。
ありとあらゆる場所に格安で行けるので、乗りこなせるようになったら物価の高いヨーロッパでも移動のコストは格段に下がります。
EU圏内の格安バスはいくつか存在するのですが、この記事ではその代表格である「FlixBUS(フリックス)」バスの全容を解明したいと思います。
予約から乗車まで、FlixBUSの全てを記事にしていますので、是非ヨーロッパ周遊の際は参考にしていただければと思います。
引用:公式サイト
FlisxBUS:フリックスバス
FlixBUSはドイツはミュンヘンに本社を置くヨーロッパ全土をカバーしたバス会社です。
2018年より鉄道事業にも参入したり、アメリカの一部でもサービス展開を始めるなど、その事業は多岐にわたっています。
驚くほどの破格な料金設定とヨーロッパ全土を網羅した発着数を誇り、ヨーロッパのシェンゲン協定の利点を存分に生かして、現在ではヨーロッパ34カ国の2500以上の目的地へ毎日40万以上の運行を行っています。
ルートマップ:Bus Routes Overview | FlixBus
シェンゲン協定:Schengen Agreement
あまり難しいことは私も分からないので、難しいことの分からない私が簡単に解説すると、ヨーロッパのシェンゲン協定参加国の間では国境管理が廃止されて、シェンゲン協定外からシェンゲン協定参加国に一度入国してしまえば、加盟国26カ国(2020年11月現在:下記参照)であればパスポートなしで自由に往来が可能です。
オーストリア | ベルギー | チェコ | デンマーク |
---|---|---|---|
エストニア | フィンランド | スウェーデン | スイス |
フランス | ドイツ | ギリシャ | ハンガリー |
アイスランド | イタリア | ラトビア | リヒテンシュタイン |
リトアニア | ルクセンブルク | マルタ | オランダ |
ノルウェー | ポーランド | ポルトガル | スロバキア |
スロベニア | スペイン |
この26カ国のどこかの国に一度入国してしまえば、入国審査なしで自由にその他25カ国を周遊できるのです。
バス料金に含まれるサービス
◆ 無料Wifi
◆ USBチャージャー
◆ 預入荷物
◆ 無料Wifi
主要な路線ではWifiが無料で利用できます。
ただ、あまり速度は速くないです。
また、人気観光地路線でない場合、無料Wifiのない路線もあります。
◆ USBチャージャー
全席にUSBチャージャーが付いており、携帯やPCの充電が移動中にできます。
これについても主要路線でない路線では付いてない車両もありました。
◆ 預入荷物
サイズ規定(後述)はありますが、トランクへは1つ荷物を預けることが可能で、車内持ち込みも1つ持ち込むことが可能です。
参考バス料金
ロンドン(イギリス)→ブリュッセル(ベルギー) | €14.99 |
---|---|
ブリュッセル(ベルギー)→ロッテルダム(オランダ) | €8.99 |
クラクフ(ポーランド)→ブダペスト(ハンガリー) | €13.99 |
\2,000にも満たない料金で国境を跨いだ旅ができます。
人気都市の発着場所
ドイツ | ミュンヘン・ケルン・デュッセルドルフ ドレスデン・フランクフルト・ベルリン ホーエンシュバンガウ(ノイシュヴァンシュタイン城)・マインツ |
---|---|
イギリス | ロンドン |
イタリア | ローマ・ミラノ・ヴェネチア・パルマ フィレンツェ・ナポリ・ピサ・アルベロベッロ |
オーストリア | ウィーン・ザルツブルク |
オランダ | アムステルダム・ロッテルダム |
クロアチア | ドブロブニク・ザグレブ・プリトヴィツェ湖 |
スイス | チューリッヒ・ジュネーヴ |
スペイン | マドリッド・バルセロナ・セビリア マラガ・サンティアゴ・デ・コンポステーラ |
スロヴェニア | リュブリャナ |
チェコ | プラハ・チェスキークルムロフ・ブルノ |
ハンガリー | ブダペスト |
フランス | パリ・モン・サン=ミシェル・リヨン・ニース・ボルドー |
ベルギー | ブリュッセル |
ポーランド | ワルシャワ・クラクフ |
FLiXBUS(フリックスバス):予約方法
日本から予約する場合は、Webサイトとアプリからの予約が可能となっています。
また、予約なしでも当日空席があれば乗車時にバスチケットの購入が可能となっています。
ただ、FlixBUSの格安をあてにしている方は当日は正規料金となりますので、予約するに限ります。
予約:Webサイト
公式サイト:Bus travel through Europe | FlixBus
FlixBUSの公式サイトに進んでください。
STEP1:旅程の検索
From | 出発地 |
---|---|
To | 到着地 |
Departuer | 往路 |
Return | 復路 |
Passengers/bikes | 乗車人数 / 自転車数(持込する場合) |
往復で購入希望の場合は、「Add Date++」をクリックして追加。
全ての入力が完了したら「Search」をクリックして進みます。
STEP2:旅程の選択
A | トップページで入力した自分の旅程 | |
---|---|---|
B | Sort by | 表示順 |
Departure | 出発時間の早い順 | |
Price | 安い順 | |
Duration | 移動時間の短い順 | |
Sort byFilter by | 直行か乗換ありか | |
Direct trips | 直行 | |
Transfer | 乗換 | |
Departure from ●● | 出発の希望時間帯 | |
Arrival in ●● | 到着の希望時間帯 | |
C | 出発地と到着地に間違いがないか確認 |
全て希望通りであるか確認したうえで、一番希望に合ったバスの「Reserve 1 seat」をクリックして進みます。
STEP3:選択した旅程の確認
赤枠の「出発日時」「出発地」「到着地」「乗車人数」に間違いがないか確認します。
「1 piece of baggage / 1 piece of hand luggage」は預入荷物20kg分と手荷物1個がこの料金に含まれています。
荷物の重さは特に量られたことはありません。
好き放題乗せれるというわけではありませんが、メモとして…
「Redeem voucher」割引券などがある方はこちらに入力します。
確認したら「Total●●€ To Checkout」をクリックして進みます。
STEP4:座席指定・荷物追加などのオプション選択
①予約内容
②名前・電話番号入力
③座席指定希望の方は「Reserve」をクリックして座席指定(下記STEP4-③参照)
④預入荷物が2個以上ある方は「Add」をクリックして荷物追加(下記STEP4-④参照)
⑤「Yes, I would like to pay an additional 0.25 € to compensate the CO2 emissions of my journey.」はCO2排出削減のための寄付をする場合は☑
全て入力完了したら「Proceed to payment」をクリックして進みます。
座席は乗車券を購入した時点で確保された状態ですので、特に指定はしなくても問題ありません。
路線にもよりますが、列に並ぶ習慣が日本ほどしっかりとしてないので、心配な方は座席指定をしておいた方が希望する席に確実に座ることができます。
◆ 座席の種類
パノラマ席(Panorama Seat) | 窓の大きな眺めのいい席 |
---|---|
テーブル席(Table Seat) | テーブル付きの席 |
クラシック席(Classic Seat) | 好みの席を選択 |
エクストラ席(Extra Seat) | 隣に人が乗車しないようにする席 |
座席指定料金は以下になります。
短・中距離路線(500km以内) | |
---|---|
クラシック席(Classic Seat) | €1.49 |
エクストラ席(Extra Seat) | €1.49 |
テーブル席(Table Seat) | €1.99 |
パノラマ席(Panorama Seat) | €2.99 |
長距離路線(500km以上) | |
---|---|
クラシック席(Classic Seat) | €2.99 |
エクストラ席(Extra Seat) | €2.99 |
テーブル席(Table Seat) | €3.49 |
パノラマ席(Panorama Seat) | €4.99 |
公式サイト:All information on seat reservation | FlixBus
個人的な意見として、テーブル席のある車両には乗車した事がないのですが、「クラシック席」「シングル席」の指定で充分だと思います。
基本的に窓は大きく、わざわざパノラマ席を選択しなくても外の景色は綺麗に見える席がほとんどでした。
人気観光地など主要路線は満席の可能性もあるので、窓際などこだわりのある方はクラシック席かエクストラ席を指定しましょう!
追加の預入荷物をご希望の場合は「Confirm(+3.99€)」をクリックして進みます。
上記画像左が車内持込可能サイズ、右が預入可能サイズとなっており、こちらを1つずつであれば、バス料金に含まれています。
また、ベビーカーについても一人につき一台までバス料金に含まれています。
預入荷物の追加は追加料金はかかりますが1人につき1つまで可能です。
サイズ | 予約時 | 予約後 |
---|---|---|
幅30cm+長さ50cm+高さ80cm計20kg | €3.99 | €6 |
幅+長さ+高さ=最大240cm計30kg | €9 | €9 |
公式サイト:Baggage policy at FlixBus
STEP5:支払い方法の選択
①クレジットカード手数料€0.32がかかります。
②領収証が必要な方は☑(下記STEP5‐②参照)
③E-ticket受取用のメールアドレス
全て入力完了したら「Proceed」をクリックして進みます。
STEP5-②:領収証受け取りの方
下記必要事項を全て入力してください。
STEP6:クレジットカード情報の入力
①クレジットカード情報の入力
VISA・MasterCard・American Express・Discover・PayPal
ATMはJCBに対応している機会もありましたが、欧州ではJCBはほとんど使えないと思っていたほうが無難です。
予約バウチャー
E-ticket受取用で登録したメールアドレスにPDFで下記チケットが届きますので、こちらを持参するか、アプリをインストールされている方はアプリでバウチャーの確認ができますので、そちらのQRコードを乗車時に提示するかのどちらかが必要になりますので、アプリのない方は必ず印刷して持参するようにしましょう。
また、荷物タグも一緒にPDFで添付されているのですが、一度も使ったことがありません。が、念のためこちらも持参するようにしましょう。
予約:アプリ

STEP1:旅程の検索
Departure | 出発地 |
---|---|
Distination | 目的地 |
Departing | 往路 |
Return | 復路 |
Passengers | Adult / 大人 |
それぞれ入力したら「SEARCH」をクリックして進みます。
STEP2:旅程の選択
検索結果から希望の便を選択してクリックして進みます。
STEP3:乗車者の情報入力
メールアドレス | |
---|---|
First name | 名前 |
Last name | 苗字 |
それぞれ入力して下にスクロールして進んでください。
STEP4:座席・追加荷物の選択
STEP4-①:座席指定
座席の種類や追加料金などについての詳細は上のWebサイト予約にて詳しく説明していますので、そちらをご確認ください。
こちらの場合は2階建てバスとなっており、「Lower deck」が下の階、「Upper deck」が上の階」となっています。
STEP4-②:預入荷物追加
預入荷物の追加がある場合はこちらで指定してください。
また、荷物の範囲など詳細は上のWebサイト予約にて詳しく説明していますので、そちらをご確認ください。
STEP5:支払方法選択
VISA・MasterCard・American Express・PayPal・Apple pay その他
領収証が必要な方は「I need an invoice」をチェックしてください。
STEP6:予約内容の確認
予約内容を確認します。
プライバシーポリシー「By making this purchase I agree to the T&C of Booking, T&C of Carriage and Privacy Policy.」に同意するに☑を入れます。
「PAY SECURELY NOW」をクリックして進みます。
STEP7:クレジットカード情報入力
全て入力したら「Pay €●●」をクリックして予約完了となります。
予約バウチャー
Webサイトで予約した分もアプリをダウンロードしておけばアプリで確認が可能です。
トップページ下のチケットマークをクリックすると予約チケットの確認及びQRコードが表示ができるようになっています。
このQRコードを乗車時に提示してスキャンしてもらえば乗車可能となります。
また、バス乗車場所と降車場所の地図も表示されるので、とても便利です。
アプリはネットが繋がっていないと確認できないので注意してください。 ネット環境のある場所でバーコードをスクリーンショットしておくのも一つの手です。
FlixBUS(フリックスバス):乗車
どのバスも発車時刻の15分前までにバス乗り場に行きましょう。
また、国際便の場合はパスポートの確認もありますので、バスチケットと一緒に準備しておきましょう。
バスに乗り込む際に運転手さん若しくはバス会社の人が、予約バウチャーかアプリのQRコードをスキャンしますので、提示して乗車となります。
荷物は自分でトランクに入れるようになっていますので、トランク前に放置して乗車しないようにしてください。
予約のキャンセルと変更について
予約のキャンセルは出発時刻の15分前までであれば可能で、出発の30日前までであれば手数料なしでのキャンセルが可能です。
出発30日前まで | 無料 |
---|---|
出発29日前~14日前まで | €1 |
出発13日前~3日前まで | €3 |
出発2日前~15分前まで | €5 |
公式サイト:Cancellation fee overview FlixBus
予約後に変更ができるのは、「氏名」と「電話番号」のみとなり、それ以外の変更に付いては、一度キャンセルしてから再度予約手続きのしなおしとなります。
キャンセルした場合の払い戻しですが、現金での払い戻しはなく、バウチャーでの払い戻しという形になりますので、新たにFlixBUSで1年以内に予約しない限り払い戻しはないものと同じ扱いになっていますので慎重に予約しましょう。
公式サイト:Cancel・Change my booking
予約№とメールアドレスを入力後、ログインしてキャンセル処理または変更ができます。
FlixBUS(フリックスバス):注意点
格安ならではの注意点から、治安面での注意点まで少し気をつけておいた方がいいことがいくつかあります。
車椅子の方
ご自身で若しくは介助人付き添いで乗車の場合は全てのバスでの乗車が可能となっていて、車椅子はバス料金に含まれているので追加料金はかかりません。
その際運転手がトランクに車椅子を収納できるように折り畳み式の車椅子のみ可能となっています。
なお、車椅子で乗車の場合は、出発の36時間前までにFlixBUSへの連絡が必要となります。
FlixBUS連絡フォーム:FlixHelp連絡
また、一部のバスでは車椅子に座ったまま乗車できるスペースのあるバスもありますので、出発1週間前にリクエスト送信をしてください。
リクエストフォーム:FlixHelpリクエスト
その他詳細は公式サイトから確認してください。
公式サイト:FlixHelp
ペットについて
障害者用の介助犬以外のペットはバスへの乗車はできません。
荷物追加料金
FlixBUSはヨーロッパ全土を網羅していますが、多くの場所で委託運行(FlixBUSではないバス会社へFlixBUSが委託して運行している)されており、委託運行の場合は追加で荷物代(€1~2程度)を支払う必要がある場合があります。
ストライキ及び理由不明の運休
ヨーロッパではストライキが頻繁に起こっています。
また、ストライキなどの事前情報がなくてもバス会社の方も理由が分からないままバスが運休となることもあったりします。
一度私が予約したバスが理由不明のまま運休となりました。
参考:要注意:FLiXBUS
たまに重大事件
これに関してはFlixBUSの問題ではない(鍵は閉めてなかったのか?という問題はありますが…)のですが、パリで起こった強盗事件の映像です。
参考:バス強盗
走っているバスのトランクを開けて荷物を盗むという事もヨーロッパでは起こり得るということを頭においておいてください。
また、極力車内に持ち込める荷物は肌身離さず持ち込んだほうが無難かと思います。
まとめ
比較的物価の高い国が数多くあるヨーロッパですが、旅行中にかかる交通費は意外に安く済み、一度の旅行でたくさんの目的地を計画に入れることができます。
FlixBUSだけに限らず、EU内で公共交通機関を乗りこなすことができれば、きっと旅行の範囲も大きく広げることができます。
ヨーロッパ旅行には欠かせない公共交通機関、ぜひ乗りこなせるようになってください。
素敵なヨーロッパの旅になることを願っています♡