ヨーロッパを周遊する際に使える格安交通機関の代表格はバスです。
ありとあらゆる場所に格安でいけるので、乗りこなせるようになったら物価の高いヨーロッパでも移動のコストは格段に下がります。
EU圏内の格安バスはいくつかあるのですが、この記事ではその代表格である「FLiXBUS(フリックスバス)」の予約から乗車まで全てを解説しますので、ぜひヨーロッパ周遊の際は参考にしていただければと思います。
FLiXBUS:フリックスバス
FLiXBUSは、ドイツはミュンヘンに本社を置くヨーロッパ全土をカバーしたバス会社です。
2018年より鉄道事業にも参入していたり、アメリカの一部でもサービスを展開するなど、その事業は多岐にわたっています。
驚くほどの破格な料金設定とヨーロッパ全土を網羅した発着数を誇り、ヨーロッパのシェンゲン協定の利点を存分に生かして、現在ではヨーロッパ34ヶ国の2,500以上の目的地へ毎日40万以上の運行を行っています。
ルートマップ:Bus Routes Overview | FlixBus
FLiXBUS(フリックスバス):バス料金に含まれるサービス
いくら破格といえども、とんでもなくオンボロなバスだったり、全くサービスの無いバスだと選択を躊躇しますよね。
以下がバス料金に含まれているサービス内容になります。
FLiXBUSには充分満足できるサービスが備えられていますので、ご心配なく。
◆ 無料WiFi
◆ USBチャージャー
◆ 無料預入荷物
主要な路線では、WiFiが無料で利用できるようになっています。
あまり速度は速くなく、人気観光路線でない場合は、無料WiFiのない路線もあります。
全席にUSBチャージャーが付いていて、携帯やPCの充電が移動中にできます。
これについても主要路線で無い路線では、付いていない車両もありました。
サイズ規定(後述)はありますが、トランクへは1つ荷物を預けることが可能で、車内持ち込みも1つ持ち込むことが可能です。
FLiXBUS(フリックスバス):参考バス料金
こちらは参考程度に、私が今まで利用したFLiXBUSの料金の一例になります。
ロンドン(イギリス)→ブリュッセル(ベルギー) | €14.99 |
---|---|
ブリュッセル(ベルギー)→ロッテルダム(オランダ) | €8.99 |
クラクフ(ポーランド)→ブダペスト(ハンガリー) | €13.99 |
2,000円にも満たない料金で国境を跨ぐ旅ができるのです。
FLiXBUS(フリックスバス):人気都市の発着場所
ドイツ | ミュンヘン・ケルン・デュッセルドルフ ドレスデン・フランクフルト・ベルリン ホーエンシュバンガウ(ノイシュヴァンシュタイン城)・マインツ |
---|---|
イギリス | ロンドン |
イタリア | ローマ・ミラノ・ヴェネチア・パルマ フィレンツェ・ナポリ・ピサ・アルベロベッロ |
オーストリア | ウィーン・ザルツブルク |
オランダ | アムステルダム・ロッテルダム |
クロアチア | ドブロブニク・ザグレブ・プリトヴィツェ湖 |
スイス | チューリッヒ・ジュネーヴ |
スペイン | マドリッド・バルセロナ・セビリア マラガ・サンティアゴ・デ・コンポステーラ |
スロヴェニア | リュブリャナ |
チェコ | プラハ・チェスキークルムロフ・ブルノ |
ハンガリー | ブダペスト |
フランス | パリ・モン・サン=ミシェル・リヨン・ニース・ボルドー |
ベルギー | ブリュッセル |
ポーランド | ワルシャワ・クラクフ |
上記はごく一部であり、恐らく日本人旅行者が思いつく目的地であれば、ほぼ網羅しているかと思います。
ルートマップ:Bus Routes Overview | FlixBus
FLiXBUS(フリックスバス):予約
日本から予約する場合は、Webサイトとアプリからの予約が可能となっています。
また、予約なしでも当日空席があれば、乗車時にバスチケットの購入が可能です。
FLiXBUSに格安で乗車するには、当日は正規料金となるので事前予約必須です。
FLiXBUS(フリックスバス)予約:Webサイト
公式サイト:Bus travel through Europe | FlixBus |
---|
FLiXBUSの公式サイトに進みます。
From | 出発地 |
---|---|
To | 到着地 |
Departuer | 往路 |
Return | 復路 |
Passengers/bikes | 乗車人数 / 自転車数(持込する場合) |
往復で購入希望の場合は、「Add Date++」をクリックして追加します。
全ての入力が完了したら「Search」をクリックして進みます。
A | トップページで入力した自分の旅程 | |
---|---|---|
B | Sort by | 表示順 |
Departure | 出発時間の早い順 | |
Price | 安い順 | |
Duration | 移動時間の短い順 | |
Sort byFilter by | 直行か乗換ありか | |
Direct trips | 直行 | |
Transfer | 乗換 | |
Departure from ●● | 出発の希望時間帯 | |
Arrival in ●● | 到着の希望時間帯 | |
C | 出発地と到着地に間違いがないか確認 |
全て希望通りであるか確認したうえで、一番希望に合ったバスの「Reserve 1 seat」をクリックして進みます。
赤枠の「出発日時」「出発地」「到着地」「乗車人数」に間違いがないか確認します。
「1 piece of baggage / 1 piece of hand luggage」は、預入荷物20kg分と手荷物1個がこの料金に含まれていますということです。
荷物の重さは特に量られたことはありません。
好き放題乗せれるというわけではありませんが、参考までに…
「Redeem voucher」割引券などがある方は、こちらに入力します。
確認したら「Total●●€ To Checkout」をクリックして進みます。
①予約内容
②名前・電話番号入力
③座席指定希望の方は「Reserve」をクリックして座席指定
座席は乗車券を購入した時点で確保された状態ですので、特に指定はしなくても問題ありません。
路線にもよりますが、列に並ぶ習慣が日本ほどしっかりしてないので、心配な方は座席指定をしておいた方が希望する席に確実に座ることができます。
座席種類 | |
---|---|
パノラマ席(Panorama Seat) | 窓の大きな眺めのいい席 |
テーブル席(Table Seat) | テーブル付きの席 |
クラシック席(Classic Seat) | 好みの席を選択 |
エクストラ席(Extra Seat) | 隣に人が乗車しないようにする席 |
短・中距離路線(500km以内)料金 | |
---|---|
クラシック席(Classic Seat) | €1.49 |
エクストラ席(Extra Seat) | €1.49 |
テーブル席(Table Seat) | €1.99 |
パノラマ席(Panorama Seat) | €2.99 |
長距離路線(500km以上)料金 | |
---|---|
クラシック席(Classic Seat) | €2.99 |
エクストラ席(Extra Seat) | €2.99 |
テーブル席(Table Seat) | €3.49 |
パノラマ席(Panorama Seat) | €4.99 |
公式サイト:All information on seat reservation | FlixBus
テーブル席のある車両には乗車した事がないのですが、個人的な意見として「クラシック席」「シングル席」の指定で充分だと思います。
基本的に窓は大きく、わざわざパノラマ席を選択しなくても外の景色は綺麗に見える席がほとんどでした。
人気観光地など主要路線は満席の可能性もあるので、窓際などこだわりのある方はクラシック席かエクストラ席を指定しましょう。
④預入荷物が2個以上ある方は「Add」をクリックして荷物追加
追加の預入荷物を希望の場合は「Confirm(+3.99€)」をクリックして進みます。
上記画像左が車内持ち込み可能サイズ、右が預入可能サイズとなっており、1つずつであれば、バス料金に含まれています。
ベビーカーについても、一人につき一台までバス料金に含まれています。
預入荷物の追加は、料金を支払っても一人につき一つまでとなっています。
サイズ | 予約時 | 予約後 |
---|---|---|
幅30cm+長さ50cm+高さ80cm計20kg | €3.99 | €6 |
幅+長さ+高さ=最大240cm計30kg | €9 | €9 |
公式サイト:Luggage policy
⑤「Yes, I would like to pay an additional 0.25 € to compensate the CO2 emissions of my journey.」は、CO2排出削減のための寄付をする方は☑
全て入力完了したら「Proceed to payment」をクリックして進みます。
①クレジットカード手数料€0.32がかかります。
②領収証が必要な方は☑して必要事項入力
③E-ticket受取用メールアドレス
全て入力完了したら「Proceed」をクリックして進みます。
①クレジットカード情報の入力
VISA・MasterCard・American Express・Discover・PayPal
ATMはJCBに対応している機械もありましたが、欧州ではJCBはほとんど使えないと思っていたほうが無難です。
Web予約:予約バウチャー
E-ticket受取用で登録したメールアドレスに、PDFでE-ticketが届くので、印刷して持参するか、アプリをインストールしている方は、アプリでバウチャーの確認ができるので、そちらのQRコードを乗車時に提示するかのどちらかが必要になります。
また、荷物タグも一緒にPDFで添付されているのですが、一度も使用したことがありません。
が、念のため荷物タグも持参するようにしましょう。
FLiXBUS(フリックスバス)予約:アプリ
FlixBus: Smart Bus Travel
FlixMobility GmbH無料posted withアプリーチ
Departure | 出発地 |
---|---|
Distination | 目的地 |
Departing | 往路 |
Return | 復路 |
Passengers | Adult / 大人 |
それぞれ入力したら「SEARCH」をクリックして進みます。
検索結果から希望の便を選択してクリックして進みます。
メールアドレス | |
---|---|
First name | 名前 |
Last name | 苗字 |
それぞれ入力して下にスクロールして進んでください。
STEP4-①:座席指定
座席の種類や追加料金などについての詳細は、Webサイトでの予約方法を確認してください。
こちらの場合は、2階建バスとなっており、「Lower deck」が下の階、「Upper deck」が上の階となっています。
STEP4-②:預入荷物追加
預入荷物の追加がある場合は、こちらで指定してください。
また、荷物の範囲などの詳細は、Webサイトからの予約方法を確認してください。
VISA・MasterCard・American Express・PayPal・Apple pay その他
領収証が必要な方は、「I need an invoice」をチェックしてください。
予約内容を確認します。
プライバシーポリシー「By making this purchase I agree to the T&C of Booking, T&C of Carriage and Privacy Policy.」に同意するに☑を入れます。
「PAY SECURELY NOW」をクリックして進みます。
全て入力したら「Pay €●●」をクリックして予約完了となります。
アプリ予約:予約バウチャー
Webサイトの予約分もアプリをダウンロードしておけばアプリで確認が可能です。
トップページ下のチケットマークをクリックすると、予約チケットの確認及びQRコードが表示できるようになっています。
このQRコードを乗車時に提示してスキャンしてもらえば乗車可能となります。
また、バス乗車場所と降車場所の地図も表示されるので、とても便利です。
アプリはオフラインでは確認できないので注意してください。
ネット環境のある場所でバーコードをスクリーンショットしておくのも一つの手です。
FLiXBUS(フリックスバス)予約:キャンセル・変更
予約のキャンセルは、出発時刻の15分前までであれば可能で、出発の30日前までであれば手数料なしでのキャンセルが可能です。
出発30日前まで | 無料 |
---|---|
出発29日前~14日前まで | €1 |
出発13日前~3日前まで | €3 |
出発2日前~15分前まで | €5 |
公式サイト:Cancellation fee overview
予約語に変更ができるのは、「氏名」と「電話番号」のみとなり、それ以外の変更については、一度キャンセルしてから再度予約手続となります。
キャンセルした場合の払い戻しですが、現金での払い戻しはなく、バウチャーでの払い戻しという形になるので、新たにFLiXBUSで1年以内に予約しない限り払い戻しはないものと同じ扱いになっているので慎重に予約しましょう。
公式サイト:Bus travel through Europe | Flixbus
予約№とメールアドレスを入力後、ログインしてキャンセル処理及び変更の処理ができます。
FLiXBUS(フリックスバス):乗車
どのバスも発車時刻の15分前までにバス乗り場に行くようにしましょう。
バス乗車時に、運転手さん若しくはバス会社の人が、予約バウチャーかアプリのQRコードをスキャンしてくれるので、提示して乗車となります。
国際便の場合はパスポートの確認もあるので、バスチケットと一緒に準備しておきましょう。
荷物は自分でトランクに入れるようになっているので、トランク前に放置して乗車しないようにしてください。
FLiXBUS(フリックスバス)乗車:注意点
格安ならではの注意点から、治安面での注意点まで少し気をつけておいたほうがいいことがいくつかあります。
FLiXBUS(フリックスバス)注意点:車椅子の方
ご自身で、若しくは介助人付き添いで乗車の場合は、全てのバスでの乗車が可能となっていて、車椅子はバス料金に含まれているので追加料金はかかりません。
その際、運転手がトランクに車椅子を収納できるように折りたたみ式の車椅子のみ可能となっています。
また、一部のバスでは車椅子に座ったまま乗車できるスペースのあるバスもありますので、出発1週間前に上記FlixHelpにリクエストを送信してください。
FLiXBUS(フリックスバス)注意点:ペット
障害者用の介助犬以外のペットは、バスへの乗車はできません。
FLiXBUS(フリックスバス)注意点:荷物追加料金
FLiXBUSは、ヨーロッパ全土を網羅していますが、多くの場所で委託運行(FLiXBUSではないバス会社へFLiXBUSが委託して運行している)されており、委託運行の場合は追加で荷物代(€1~2程度)を支払う必要がある場合があります。
FLiXBUS(フリックスバス)注意点:ストライキ及び理由不明の運休
ヨーロッパでは、ストライキが頻繁に起こっています。
また、ストライキなどの事前情報が無くても、バス会社の方も理由が分からないままバスが運休となることもあったりします。
関連記事:要注意「FLiX BUS」:予約した夜行バスが来なくて危く野宿【イングランド】
まとめ
比較的物価の高い国が数多くあるヨーロッパですが、旅行中にかかる交通費は意外に安く済み、一度の旅行でたくさんの目的地を計画に入れることができます。
FLiXBUSだけに限らず、EU圏内で公共交通機関を乗りこなすことができれば、旅行の範囲も大きく広げることができます。
ヨーロッパ旅行には欠かせない公共交通機関、ぜひ乗りこなせるようになってください。
素敵なヨーロッパのたびになることを願っています♡