◆ATTENTION◆
2022年10月1日以降、新型コロナウイルス関連の入国規制は解除されており、ルクセンブルク入国時の陰性証明書、ワクチン接種証明書の提示は不要、入国規制等も撤廃となっています。
◆ATTENTION◆
EUでは、テロの脅威、観光客の増加、継続する地域への移民流入への対応として、ヨーロッパ旅行情報認証システム(ETIAS:事前渡航認証システム)を開始する予定で、欧州旅行情報認証制度、またはETIASビザ免除は、2023年11月に日本からヨーロッパへ旅行するための旅行要件となります。
日本国籍保持者がヨーロッパを旅行する場合、ETIASビザ免除をオンラインで申請する必要があります。
ルクセンブルクという国をご存知ですか?
ドイツ・フランス・ベルギーに囲まれた国で、神奈川県ほどの広さに人口約64万人と、とても小さな国です。
私たち日本人にはあまり馴染みのない国ですよね。
この小さな国、実は国民一人当たりのGDPが世界一であり、平均年収が軽く1000万円を超えているのです。
どれだけリッチな国なのでしょうか。
そんなルクセンブルクに訪れる機会があったので、この記事ではルクセンブルク観光にはマストの名所を全て紹介したいと思います。
ルクセンブルク:Luxembourg
フランス、ベルギー、ドイツに囲まれたルクセンブルク大公国(Groussherzogtum Lëtzebuerg)は、総面積が2600㎢で神奈川県とほぼ同じ面積のとても小さな国です。
人口は約64万人で、人口の40%を外国人が占めています。
ちなみに神奈川県の人口が約918万人というから、やっぱり日本の人口密度は凄まじいですね…
ルクセンブルクは、963年にボックフェルゼン(Bockfiels)と呼ばれる岩山に建設された小さな城(ルシリンブルク:Lucilinburhuc)を中心に発展した要塞都市で、首都であるルクセンブルク市(Stad Lëtzebuerg)には、ヨーロッパの金融の中心と旧市街が隣接していて、城壁を渓谷に囲まれた美しい城砦都市が隣り合わせであります。
この旧市街は、「古い街並みと要塞群(City of Luxembourg: its Old Quarters and Fortifications)」として、ユネスコ世界文化遺産にも登録されています。
断崖の上にあった天然の要塞に、14~15世紀頃まで城壁が建設され領土も拡大していたのですが、1443年にはブルゴーニュに占領され、スペイン、フランス、オーストリアなどの大国に支配された歴史を持ちます。
その間、要塞は拡張し続け、やがて「北のジブラルタル」と呼ばれる要塞都市になっていきました。
ボックフェルゼンの岩山にある要塞「ボックの砲台(Casemates du Bock)」や、16世紀にスペインとイスラムの建築様式が融合した建てられた「ルクセンブルク大公宮(Groussherzogleche Palais)」、ゴシックとルネサンス様式を融合させ17世紀に建てられた「ノートルダム大聖堂(Kathedral Notre Dame vu Lëtzebuerg)」など、旧市街に残る統治国の建築物がこの国の歴史を物語っています。
1815年にウィーン会議の結果、ドイツ連邦に加盟しながらもオランダ国王を大公とするルクセンブルク大公国として独立し、1867年には永世中立国となり要塞は取り壊されていきますが、1948年に永世中立を放棄、現在残る要塞が歴史の証人として保存されています。
第二次世界大戦後は鉄鋼業などで繁栄し、EU(欧州連合)の主要機関7つあるうちの2つ(欧州裁判所・欧州議会事務局)がルクセンブルクにあって、ロンドンに次ぐユーロ市場、ヨーロッパを代表する国際金融センターを形成しています。
欧州の中心に位置し、侵略の歴史に翻弄され続けた小さな国ですが、今では欧州屈指の富裕国へと発展しています。
ルクセンブルク:アクセス
日本からの直行便はなく、ヨーロッパの各都市を経由していくことになります。
パリからは、高速鉄道「TGV(フランス国鉄)」で3時間弱、ブリュッセルからも高速鉄道「IC(ベルギー国鉄)」で3時間弱で行くことができます。
また、ヨーロッパには驚くほど破格の格安バスもあり、TGVなどの鉄道に比べて少し移動時間はかかりますが、€10以内から予約できることもあるので、バス移動を検討されてもいいと思います、
ヨーロッパ各都市からのアクセスは良く、EU圏内のLCCは、日本・アジアとは比較にならないほど発達しており格安で行くことができるので、ヨーロッパ旅行の際に1~2日ほど余裕ができたという方は、ぜひルクセンブルクに足を運んでみてください。
私がルクセンブルクを訪れた経緯も、フランス・ベルギー・オランダを周遊している最中にルクセンブルクを知り、立ち寄ってみることにしました。
その後、ルクセンブルクから急遽ロンドンに飛んでみたりと、本当にアクセスは抜群です。
ルクセンブルク:観光
ルクセンブルクは、とても小さな国でありながらも魅力たっぷりの場所です。
1994年に世界遺産に登録された旧市街は、東西700m、南北900mというコンパクトな町で、全て徒歩で周ることができます。
特にお薦めは「グルント(Grund)」地区の夜景です!
ルクセンブルクに訪れるのであれば、これだけは外さないでください。
グルント(Grund)の夜景
「グルント(Grund)」とは、渓谷の低地を意味します。
アルゼット川(Alzette)の畔にある渓谷の低地に位置し、絵のように美しいエリアであることに加えて、上から眺める夜景の美しさは世界的にも有名です。
ルクセンブルク完全網羅:町歩きモデルコース
ルクセンブルク駅→アドルフ橋→憲法広場→ノートルダム寺院→ギョーム広場→ダルム広場→大公宮→ボックの砲台→グルント地区→ルクセンブルク駅
アドルフ橋は、ルクセンブルクの独立を表す国家的シンボル(非公式)となっており、ルクセンブルクの主要な観光名所の一つになっています。
ペトリュス渓谷(Pétrusse)に架けられた、高さ42m、全長153mの大きなアーチを持つ美しいアドルフ橋は、1900年から3年の歳月をかけて造られた存在感のある橋です。
この橋は、1896年に橋を建てるためにルクセンブルク政府が雇ったアルバート・ロダンジュ(Albert Rodange)と、南フランスで類似の効果橋建設の経験を持っていたフランス人のポール・セジュルーネ(Paul Séjourné)によって設計され、1903年に建てられました。
この設計は、1908年にアメリカのフィラデルフィアに建てられた「ウォールナット・レーン・ブリッジ(Walnut Lane Bridge)」にも使われたそうです。
アドルフ橋は、1890~1905年までルクセンブルクを統治した「アドルフ大公(Adolf Wilhelm August Karl Friedrich)」にちなんで付けられた名前です。
現在100年以上の歴史がありますが、ルクセンブルク市民の間では「新しい橋(NeiBréck)」と呼ばれていて、その比較対象である「古い橋」は1861年に建てられた「パスレル橋(La Passerelle)」のことを指します。
橋の上からは、ルクセンブルクの独特な地形と、ペトリュス川が流れる緑美しい渓谷を見渡すことができます。
アドルフ橋から100mほど歩くと憲法広場が見えてきます。
憲法広場の中央には、第一次世界大戦中に亡くなったルクセンブルクの兵士を慰霊して1923年に建てられた「GëlleFra」という記念碑があります。
今日では、ルクセンブルクの人々の自由の象徴となっています。
ここからはアドルフ橋の全体像が見えます。
憲法広場からアドルフ橋を見れば、アドルフ橋の美しさをより感じることができます。
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ルクセンブルク・ノートルダム大聖堂は、17世紀に建てられたローマ・カトリック教会の大聖堂です。
この大聖堂は、憲法広場の東側でノートル・ダム(rue Notre-Dame:Enneschtgaass)通りにあり、1613~1621年に建設され、ルネッサンスとバロックの様式からなる教会で、1938年に現在のサイズに拡張されました。
1621年に造られた古い入口と、1938年に造られた新しい入口の二つの入口があり、三つの尖った塔が特徴の大聖堂です。
地下にある礼拝堂には歴代司祭や王家の墓があり、ベルギーの前王女(ジョセフィーヌ・シャルロット:Joséphine-Charlotte)の婚礼が行われた教会としても有名です。
ギョーム広場は、ルクセンブルクの歴史的地区「ヴィル・オート地区(Uewerstad)」の中心部にある広場で、観光案内所や市庁舎があり、いつも観光客で賑わっています。
ルクセンブルク語で「結び目」を意味する「クヌードラー(Knuedler)」と呼ばれており、これはフランシスコ会の修道士が着用するベルトの結び目を指しています。
この場所は、もともとフランシスコ会の修道院の跡地であったため、このように呼ばれるようになりました。
子の修道院は、1797年のフランス革命時にフランスの兵士の占領によって修道院としての機能を失い、1804年にナポレオン(Napoléon Bonaparte)がこの地を訪れた際にギョーム広場を贈り物としたそうです。
1829年にベルギーの建築家「ジャスティン・レモント(Justin Remont)」の計画によってギョーム広場に新しい市庁舎を建設する計画が立てられ、その年に旧修道院が解体され、1838年に現在の市庁舎が建てられました。
ギョーム広場の西半分はルクセンブルク市によって管理されているのですが、広場の名前の由来となった元ルクセンブルク大公(国家元首)ウィリアム2世(William II of the Netherlands)の騎馬像が東側にあり、ギョーム広場の象徴となっています。
広場の多くは木で囲まれていて、オープンエリアは少し狭くなっています。
ダルム広場は旧市街の中心であり、歩行者ゾーンになっていて、カフェやレストランが立ち並んでいます。
旅行者だけに限らず「町のリビングルーム」と呼ばれ、地元の人々も集う場所になっています。
ルクセンブルク料理をはじめ、フランス料理、イタリア料理、メキシコ料理と様々なレストランが揃っていて、お好みと予算に応じて選択することができます。
土曜日はフリーマーケット、秋にはブックマーケット、クリスマスシーズンにはクリスマスマーケットなど、年間を通して多くのイベントがダルム広場で行われています。
15世紀頃に市庁舎として建設されてから、1554年に火薬の爆発によって破壊され、その後1573年頃より再建され、1891年より大公宮となりました。
正面のアラベスク模様は建設当初のままの面影を残しています。
特に大きな庭があるわけでもなく、もし観光客で賑わっていなければ普通に素通りしてしまうような佇まいです。
また、近衛兵の交代式が2時間おきに一日4~5回ほど行われています。
7月中旬~8月下旬には、大公宮の内部を観光するツアーもあります。
旧市街の北東、アゼット川を見下ろし、グルントの上に架かるシャトー橋(Pont du château)を渡った所に「ボック(Bockfiels)」と呼ばれる高さ260~285mの断崖絶壁があります。
ここからの眺望はルクセンブルク一の絶景となっています。
963年、初代のルクセンブルク統治者であるジークフリート伯爵(Sigfried)が、この断崖にルクセンブルク城(castellum Lucilinburhuc)を建設しました。
ヨーロッパで最も戦略的に優れた位置と、「北のジブラルタル」と呼ばれる手ごわい要塞を制覇するため、ブルゴーニュ、ハプスブルク、スペイン、プロセイン、フランスなどの軍が何世紀にもわたって幾度となく戦争を繰り返したため、ボックとその周辺の防御力が強化されていき現在の姿を残しています。
なお、三つのドングリ(Dräi Eechelen)と呼ばれる可愛らしい党のある「ツェンゲン要塞(Fort Thüngen)」は、何世紀もの間、オーストリア人とプロセイン人が重要な要塞として使用していたもので、現在は博物館となっています。
また、新市街地へ続くモダンなシャルロット橋(Groussherzogin-Charlotte-Bréck)や、高層建築の集まるキルシュベルグ(Kirchberg)を観ることができます。
この断崖の下にある巨大な地下要塞に「ボックの砲台」があります。
ルクセンブルク城の廃墟と砲台のある地下要塞が現在ではルクセンブルクの主要な観光名所となっています。
上から眺める夜景も素晴らしいのですが、下から見上げる景色も想像の遥か上をいくような美しさです。
また、とても静かな場所で、ルクセンブルクの住人の方々の日常を垣間見ることのできる場所です。
なお、グルント地区へ行くには、石畳の急な坂道や階段があるのですが、ボックの砲台の近くにエレベーターもあり、一瞬でグルント地区へ降りることも可能です。
ルクセンブルク:観光カード
「ルクセンブルクカード(Luxembourg Card)」というルクセンブルクにある施設入場料が無料になるカードもあります。
以前は公共交通機関のチケットとしてお得だったのですが、2020年3月より公共交通機関が無料化されていて、ルクセンブルクカードがどこまでお得なのかは旅行の仕方次第なのですが、観光の計画をする際に購入すべきか否か検討してみてください。
1日券 | €13 |
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2日券 | €20 |
3日券 | €28 |
ルクセンブルク:食事
ルクセンブルクの郷土料理は、ベーコンや豆、野菜などがたっぷり入ったスープや、スパイスのきいたソーセージなど、周辺国とどことなく似ています。
ダルム広場周辺に行けば、各国料理のレストランが数多くあり、食事に困ることはありません。
また、お酒が飲める人であれば、ルクセンブルク産のモーゼルワインやビールを楽しむのもありだと思います。
◆ オーバーワイス:OBERWEIS
◆ ア・ラ・スープ:a la Soupe
◆ バイ・ド・ボウエン:Bei de Bouwen
ルクセンブルク市内にいくつか店舗を構えるショコラティエのいるお店。
チョコレートで有名なオーバーワイスですが、旧市街の本店ではお惣菜や紅茶などの販売も行っており、ティーサロンとレストランも併設しています。
ここでオーバーワイスのランチやデザートを楽しむことができます。
ルクセンブルク大公宮御用達ということでも有名です。
旅先であっさりした食事をしたくなる時にお薦めしたいのが、こちらのお店。
ヘルシーなスープが揃ったスープバーです。
価格もお手軽で、オーガニックのパンもセットになっていたりと、身体にもお財布にも優しいお店です。
地元の人に愛される家庭料理を提供してくれるレストランです。
ルクセンブルクの家庭に並ぶ「クニーデレン(kniddelen)」がとても有名です。
ルクセンブルクの家庭料理を堪能したい方は、こちらのレストランがお薦めです。
ルクセンブルク:お土産
日本人の旅行と言えば、お土産は切っても切れない物でしょう。
ルクセンブルクに訪れて、お土産を何にしようか迷った方は、下記のお店でお土産の品定めをお薦めします。
◆ ルクセンブルクハウス:Luxembourg House
◆ ナミュール:Namur
ルクセンブルクのお土産に迷ったら、個々の足を運べば問題解決です。
ルクセンブルクの名産品や雑貨など、ルクセンブルクの全てが揃ったお店になっています。
ルクセンブルク大公宮御用達のお菓子専門店で、150年の歴史を持つルクセンブルクで最も古い伝統のお菓子屋さんです。
ここで販売している、チョコレート大国ベルギーにも負けないチョコレートやクッキーをお土産にしてはいかがでしょうか。
夏期は持ち帰るまでに溶けてしまうかもしれないので注意してください。
最後に…
いかがですか?ルクセンブルクは。
訪れた感想としては、「金融の中心」であり「世界一の富裕国」であるのですが、特に煌びやかなリッチマンがいるような感じもなく、ヨーロッパの田舎のようなのんびりとした町でした。
周辺の国に比べて観光客は少なく、治安も周辺国に比べて格段に良く、のんびり穏やかな旅行ができる場所です。
どこか他の国に滞在しているときに日帰りで訪れる方が多いようなのですが、少なくとも一泊してルクセンブルク市内とその他郊外へ足を運んでみてください。
間違いなく満足できる旅になります♡