どこにいても仕事ができるとしたら、あなたはどこを選択しますか?
こんな質問を受けたとしたら、何と答えるでしょうか。
今日、世界ではリゾート地に滞在しながらリモートワークをする外国人客の誘致を進める国や地域が相次いでいます。
その最たる業界といえばIT業界であり、「どこに住むかは社員の自由」という日本企業さえも出てきました。
そのきっかけといえば、やはり2020年のCOVID-19であり、人間生活全てに大きな影響を与えたのは言うまでもありません。
COVID-19によって、世界は大きく変わり、人口の多い都市部で生活すること自体がリスクという見方も出てきた昨今、働き方の見直しが一斉に行われています。
COVID-19が収まったとしても、COVID-19以前の世界には戻らないことが想像に容易いかと思います。
COVID-19によってリモートワークが普及したことにより、住環境への制約が薄れつつある今だからこそ、自分が理想とする住環境を国外に求める人も増えてくることを見越して、「デジタルノマドビザ」を発行する動きが活発になっているのです。
この記事では、働き方の見直しをしている方、日本から少し離れて生活をしてみたい方向けに、デジタルノマドビザが発行されている国「エストニア」のデジタルノマドビザ制度について詳しく解説したいと思います。
デジタルノマドビザ:余暇を楽しみながら働くワーケーション
「デジタルノマド」とは、就労場所を自由に選びながらITを活用して仕事をすることが可能な新しい働き方です。
住む場所や働く場所にとらわれずに自由に選択できることが特徴です。
基本的には、PCとネット環境が整っている場所であればどこでも仕事ができるので、Wi-Fiが利用できるカフェや、世界中にあるデジタルノマド向けに造られたコワーキングスペースなどで仕事をすることができます。
海外で1つの国に長期滞在をする場合は、滞在する国が定めたビザが必要になります。
日本国籍保持者は多くの国にビザなしで入国が可能ですが、その場合の滞在可能な期間は大体が30~90日になります。
短時間で転々としたいノマドワーカー(リモートワーカー)であれば、この滞在期間でも問題ないかもしれませんが、それ以上に滞在したい場合は、何かしらのビザが必要となります。
そんなデジタルノマドワーカー向けに特別に発給されるビザが「デジタルノマドビザ」になります。
デジタルノマドビザの発給対象は、それぞれの発給国によって多少の違いはありますが、大まかに特定の場所での就労が求められない勤務形態をとり、ITを使用して仕事をすることが可能な外国人が対象となっています。
ノマドワーカーが長期滞在可能な国
✔ エストニア:Eesti
✔ アンティグア・バーブーダ:Antigua and Barbuda
✔ バルバドス:Barbados
✔ バミューダ諸島:Bermuda
✔ ドイツ:Germany
✔ スペイン:Spain
✔ ポルトガル:Portugal
✔ チェコ共和国:Czech Republic
✔ メキシコ:United Mexican States
✔ ジョージア:Georgia
✔ コスタリカ:Republic of Costa Rica
✔ ノルウェー:Kingdom of Norway
デジタルノマドビザを発給している国は、まだまだ少ないのですが、世界中で働き方が変わりつつある中で、この先少しずつ増えてくることが予想されています。
また、デジタルノマドビザではないのですが、ノマドワーカーが比較的簡単に長期滞在できるビザを発給している国は結構あります。
エストニア:デジタルノマドビザ条件
エストニア政府がノマドワーカーやリモートワーカー向けに「デジタルノマドビザ」発給開始をしたのは、2020年7月になります。
電子国家であるエストニアでは、2020年6月に「Alien Act(外国人法)」を改正して、デジタルノマドビザ制度に向けた取り組みを本格化しました。
エストニアが発給するデジタルノマドビザは、最長で1年間デジタルノマドワーカーとして同国で滞在することを許可するビザになります。
✔ 働く場所が自由に選択できる
✔ ITを使用してリモートワークできる
✔ エストニア国外の企業で働いている
✔ 申請前平均月収:€3,504(約440,000円)
エストニア政府公式ブログ:Estonia’s Digital Nomad Visa is here!
ビザ条件1:働く場所が自由に選択できる
これは基本中の基本で、そもそも働く場所に縛られる方がノマドビザを必要とすることはまずないので、説明はありません。
ビザ条件2:ITを使用してリモートワークできる
こちらもリモートワークのできない会社勤めをしている方が、デジタルノマドビザを必要とすることはないと思いますので、説明はありません。
エストニアが誘致したいと思っているノマドワーカーは、主にIT、金融、マーケティング分野などで高度スキルを持つデジタルノマドであると記載がありました。
ビザ条件3:エストニア国外の企業で働いている
エストニア国外で登録されている会社と雇用契約を結んでいるか、海外で登録された自社を通じてビジネスと行っているなど、エストニア国外のクライアントのフリーランサーとして仕事をしていることが条件となります。
簡単にいえば、エストニアにお金を運んできてくれる人歓迎!という感じですかね(笑)
エストニア国内の企業であれば、また違ったビザが必要になりますので、デジタルノマドビザの条件に当てはまらないので気をつけてください。
ビザ条件4:申請前平均月収:€3,504(約440,000円)
デジタルノマドビザをエストニア政府に申請する際に、申請前6ヶ月分の収入の平均月収が€3,504(約440,000円)以上であることを証明する書類を提出する必要があります。
世界中にいるデジタルノマドの収入は本当に激しく、どの程度の生活レベルを目指すかにもよりますが、月収20万円程度であればある程度の国でデジタルノマドとして生活をすることが可能です。
ただ、エストニアでデジタルノマドビザを取得するには、最低ラインが約440,000円となっています。
エストニア政府は、IT、金融、マーケティング分野などで高度なスキルを持つデジタルノマドを求めていると発信しているので、誰もが取得できるものでもないようです。
同じヨーロッパであるジョージアに比べて少し難易度が上がりますが、この条件を満たせばデジタルノマドとしてエストニアに滞在して、ヨーロッパ各国を周ることができるようになります。
エストニア:Eesti
バルト三国の1つで、面積は九州ほどの小さな国です。
首都である「タリン(Tallinn)」は、最も優れた状態で中世の面影を残している街と言われていて、おとぎの国にも例えられています。
自然や古いものを大事にする一方で、無料通話ツールの先駆け的存在でもある「Skype」を生み出したIT先進国としても有名です。
スーパーの多くが無人レジであったり、ノスタルジーと未来が共存する魅力的な国なのです。
また、世界的に物価の高い北欧の側にありながら、物価は外食を除いて日本より安く、生活しやすい印象です。
そもそも物価が安い国ですので、ホテルも低価格であるのですが、せっかくならAirbnbなどを使用して、個人宅を借りてエストニアの日常を体験するのもありですね。
Airbnb
Airbnb, Inc.無料posted withアプリーチ
最後に…
海外旅行好きにとって、ノマドライフは憧れではないでしょうか。
私自身もノマドワーカーに憧れ、少しずつ在宅ワークを取り入れている中で起こったCOVID-19による世界の働き方の見直しによって、やはり決められた場所に通勤しないといけないスタイルは早く卒業したいと強く思うきっかけとなりました。
もちろん通勤してこその仕事も多く存在していて、現状ではその仕事をなくす事はできないでしょうけど、この先どんどん働き方が変わり、自分の好きな場所で仕事ができる時代がきても何ら不思議ではありません。
僅か100年足らずの人生、人や場所に縛られずに生きていけたらどれほどのストレスが軽減されるのだろう…と、未来にワクワクしています。