ガムラ・スタン:ストックホルム旧市街の迷宮街歩き【スウェーデン】

スウェーデンの首都ストックホルム。

 

14の島々からなる美しい水の都の中でも、ひときわ異彩を放つ特別な場所があります。

 

それが、13世紀からの歴史が息づく旧市街「ガムラ・スタン(Gamla stan)」です。

 

一歩足を踏み入れれば、そこはまるで中世のヨーロッパ。

カラフルで重厚な建物が並び、どこを切り取っても絵葉書のような景色が広がっていて、一説には映画「魔女の宅急便」の舞台の一つになったとも言われるこの街は、ただあてもなく歩いているだけで、時間を忘れてワクワクしてしまう魅力に溢れています。

 

今回は、ガムラ・スタンを訪れたら絶対に外せない王道スポットから、知る人ぞ知る細かすぎる路地など、その魅力を余すことなく紹介したいと思います。

 

 

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ガムラ・スタン:ストックホルム旧市街の迷宮街歩き

ガムラ・スタンは、小さな島の中に、スウェーデン王宮やノーベル博物館といった主要な観光名所がギュッと凝縮されていて、徒歩でサクッと回れるのがこのエリアの嬉しいところです。

 

しかし、一見コンパクトに見えて、一歩路地裏に入ると迷路のようになっていて、氏ら調べなしで行くと見落としてしまう隠れた名所もたくさんあります。

 

そこでこの記事では、初めてガムラ・スタンを訪れる方のために、絶対に押さえておきたい観光スポットと、効率よく楽しむための街歩きの順路をまとめてみました。

 

位置・アクセス ストックホルム中央駅から地下鉄で1駅。(徒歩でも行ける近さ)
特徴 13世紀から続く歴史ある「旧市街」であり、島全体が世界遺産級の美しさ
観光に必要な時間 サクッと回るなら半日、カフェや博物館をじっくり巡るなら1日

 

ガムラ・スタン:歴史を知ると10倍楽しめる!激動の過去

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ガムラ・スタンの歴史は、単なる「一地方の古い街の歴史」ではなく、「スウェーデンという国家が誕生し、強国へとのし上がっていく歴史」そのものです。

 

13世紀(1252年頃):首都の誕生(要塞としての始まり)

ガムラ・スタンがある島は、メーラレン湖(Mälaren)とバルト海が交わる「水の要所」でした。

 

当時、この地域は海賊の略奪に悩まされていたため、指導者ビルイェル・ヤール(Birger jarl)が島に強固な城塞(現在の王宮の基礎)を築き、これがストックホルムの街の始まりとなり、島を丸ごと城壁で囲み、敵の侵入を防ぐ「天然の要塞」として機能していました。

 

14~15世紀(中世盛期):ハンザ同盟とドイツ人による繁栄

交易の拠点として最適な場所だったため、北欧の商業を牛耳っていた「ハンザ同盟」のドイツ人承認が大勢移住してきました。

 

現在の大広場(Stortorget)周辺に見られる、横幅が狭く、縦に細長い独特の建物は、この時代にドイツ人たちが競って建てたもので、街は国際的な貿易都市へと急速に発展していきました。

 

1520年(11月):北欧史最大の惨劇「ストックホルムの血浴(Stockholms blodbad)」

当時、北欧3国(デンマーク・スウェーデン・ノルウェー)はデンマーク王をトップとする同盟関係にありましたが、スウェーデン国内では独立の気運が高まっていました。

 

これに怒ったデンマーク王クリスチャン2世(Kristian II)が、ガムラ・スタンの大広場にスウェーデンの貴族や指導者ら約80名を集め、次々と斬首する大粛清を行い、広場が地で染まったこの事件は「ストックホルムの血浴」と呼ばれ、今も語り継がれています。

 

1523年~(16~17世紀):スウェーデン独立と大国時代の黄金期

血浴事件の惨劇に立ち上がったのが、父親を殺された青年グスタフ1世(Gustav Vasa)です。

 

彼は民衆を率いてデンマーク軍を追い出し、1523年にスウェーデン国王として即位、独立を果たしました。

 

17世紀にはいるとスウェーデンはバルト海を支配する大帝国(バルト帝国)へと成長、軍事力と富を背景に、ガムラ・スタンには「ストックホルム宮殿」や「貴族館」といった豪華絢爛なバロック・ロココ様式の建築が次々と建てられ、現在の美しい街並みが完成しました。

 

歴史にまつわる「都市伝説」

大広場を訪れた際に、思わず探したくなるような歴史の痕跡が今もガムラ・スタンの建物に残されています。

 

広場に立つ「赤い建物」の白い石の秘密

大広場には、一際目を引く「赤い壁の建物(セヴェール・ファブロンの家)」があります。

この建物の窓の周りには、四角い「白い石」が散りばめられているのですが、その数は92個。

これは、前述の「ストックホルムの血浴」で犠牲になった人々の数だと言われていて、持ち主が追悼のために埋め込んだという伝説が残っています。

壁に突き刺さった「大砲の弾」

ガムラ・スタンのある路地(SkomakargatanとKåkbrinkenの角)の建物の壁には、なぜか大砲の弾がそのまま埋まっています。

これは、グスタフ1世がデンマーク軍を攻撃した際の大砲の弾とも、後世の住人が歴史を忘れないために記念として埋め込んだものとも言われていて、ストリートの有名な隠れスポットになっています。

 

一見すると「カラフルで可愛いインスタ映えの街」ですが、実は血に染まった激動の過去を乗り越えてきた、力強い歴史があるからこそ、今の重厚な雰囲気が漂っているのです。

 

ガムラ・スタン:街歩きルート

 

どこか懐かしくて、少し切ない・・・ガムラ・スタンの夕暮れ時、ガス灯のような優しい光に照らされた石畳を歩いていると、ふと何百年も前にタイムスリップしてしまったかのような錯覚に陥ります。

 

温かみのあるテラコッタやイエローに彩られた壁、現役で使われているアンティークな扉、そして路地裏から漂ってくる焼き立てのシナモンロールの香り。

 

北欧の洗練されたモダンな都市ストックホルムの中で、ここだけは心地よい「古い魔法」がかかったままのようです。

 

では、早速エリア内南東にある地下鉄ガムラ・スタン駅から散策スタート!

 

リッダーホルム教会(Riddarholmskyrkan)

File:Gamla Stan tunnelbanestation, Centralbron, Riddarfjärden, Stadshus, Riddarholmskyrkan and Norra tornen, Stockholm, Sweden.jpg

 

ガムラ・スタンの西側に隣接する「リッダーホルメン島(騎士の島)」に佇む、ストックホルムで最も歴史ある建築の一つです。

 

ストックホルムの街を遠くから眺めたときに、「あのレースのように繊細な黒い鉄塔は何だろう?」と誰もが目を引かれる、街のランドマークでもあります。

 

13世紀後半に修道院として建てられたゴシック様式の教会で、17世紀から1950年にいたるまで、歴代のスウェーデン国王や王族のほとんどがここに埋葬されている「王室の墓所」で、王家専用の特別な教会となっています。(現在は通常の礼拝は行われておらず、記念碑・見学施設として運営されています。)

 

初期の塔は1835年に落雷で消失してしまったため、現在の塔は鋳鉄で作られ、透かし彫りのような美しいレース状のデザインになっていて、近くで見上げると圧倒的な存在感があります。

 

床や壁を埋め尽くす「棺」

教会の中に一歩足を踏み入れると、きらびやかな装飾が施された石棺や大理石の棺がフロアの至る所に並んでいます。

かつてヨーロッパを震撼させた「北方の獅子」ことグスタフ2世アドルフ(Gustav II Adolf)など、教科書に出てくるような偉大な国王たちがすぐ目の前に眠っていて、独特の厳かな空気が漂っています。

壁一面の「騎士の紋章(セラフィム紋章)」 スウェーデン最高位の勲章である「セラフィム勲章」を授与された、世界各国の王族や国家願主の紋章プレートが壁一面に飾られていて、中には、日本の明治天皇、大正天皇、昭和天皇、上皇さまの紋章も含まれています。
切ない「鐘の音」の儀式 勲章を授与された世界の要人が亡くなった際、その葬儀の日に、このリッダーホルム教会の鐘が1時間鳴り響き、紋章が壁に掲げられるという伝統の儀式が今も続いています。

 

リッダーホルム教会のすぐ足元から見上げる塔も迫力がありますが、一番綺麗に写真が撮れるのはメーラレン湖を挟んだ対岸にある「ストックホルム市庁舎」周辺や、ガムラ・スタン北側の橋の上で、夕暮れ時に水面に教会のシルエットが浮かび上がる景色は、素晴らしい美しさです。

 

住所 Birger Jarls Torg 2, 112 28 Stockholm, スウェーデン
開館 5~9月 10:00~17:00
休館 10~4月
見学料金 SEK 65
URL Riddarholmskyrkan - Kungliga slotten

 

貴族の館(Riddarhuset)

リッダーフーセットは(Riddarhuset)、スウェーデンが最も輝いていた「大国時代(17世紀)」の政治と富の象徴であり、現代でも「中世ヨーロッパの貴族の世界に浸れる隠れた名所」として見応えのあるスポットです。

 

17世紀(1641~1674年)に建てられたリッダーフーセットは、当時、スウェーデンの国会は「聖職者・貴族・市民・農民」の4つの階級で構成されていて、ここは貴族階級が議事を行うための議事堂として作られました。

 

淡いピンクのレンガに白い石の柱、そして美しい緑色の銅製屋根が特徴のオランダ・バロック様式で、屋根の上には、正義や平和、名誉などを象徴する美しい彫刻が並んでいて、外観を見つめるだけでもうっとりしてしまいます。

 

スウェーデンでは1902年を最後に新しい貴族は誕生していませんが、現在も約2万8000人の貴族の末裔がいて、この建物は彼らの法人・コミュニティの本部として現役で使われています。

 

壁を埋め尽くす2,300枚超の「家紋プレート」

大広間に足を踏み入れると、壁一面に銅版でできたスウェーデン貴族たちの「家紋」がずらりと並んでいます。

その数、なんと2,320枚!

一つ一つデザインが異なり、中世の騎士の兜や盾、動物、植物など精巧に描かれています。

映画「ハリー・ポッター」や中世ファンタジーの世界に迷い込んだかのような圧巻の光景です。

壮大な天井画と歴史的な椅子

天井を見上げると、スウェーデンを讃える美しい巨大なアレゴリー画が描かれています。

また、広場に並ぶ議長席の椅子は、黒檀と象牙で作られた17世紀当時の本物で、隅々まで本物の貴族の贅が尽くされています。

 

この建物の真のハイライトは、2階にある「大広間(Great Hall)」にあります。

 

💡MEMO

この場所は、現在も貴族たちの私的な所有物であるため、一般旅行者に公開されているのは月曜日~金曜日の僅か1時間だけになっています。

 

住所 Riddarhustorget 10, 111 28 Stockholm, スウェーデン
開館

平日 11:00~12:00

2026年6月29日~8月21日 10:00~13:00

休館 土日祝
見学料金 SEK 60
URL Riddarhuset

 

ストックホルム大聖堂(Storkyrkan)

File:Storkyrkan and Kungliga slottet Stockholm 2016 01.jpg

 

正式名称をストックホルム大聖堂といい、「Storkyrkan」はスウェーデン語で「大きな教会」を意味し、その名の通り、ストックホルムで最も古い街の宗教的な中心地です。

 

王宮のすぐ隣に位置していて、外観は王宮に合わせて落ち着いたバロック様式ですが、一歩中に足を踏み入れると、中世の息吹が残る美しいレンガ造りのゴシック世界が広がっています。

 

街の創設者であるビルイェル・ヤールによって、1279年に建立されたという記録が残っていて、ガムラ・スタンの街とともに歴史を歩んできた建物です。

 

歴代のスウェーデン国王の戴冠式や、ロイヤルウェディングが執り行われてきた格式高い場所で、現国王のグスタフ16世(Carl XVI Gustaf)や、ヴィクトリア皇太子の結婚式もここで行われました。

 

16世紀、カトリックからプロテスタント(ルター派)へと国教が変わる際、その中心となった歴史的な舞台でもあります。

 

圧巻の傑作「聖ゲオルギオスと竜(Sankt Göran och draken)」

大聖堂のシンボルであり、北欧中世美術の最高傑作と言われる巨大な木彫りの彫刻です。

騎士ゲオルギオス(Georgios)が勇敢に馬を駆り、悪竜を退治して皇女を救う名シーンが、驚くほどリアル且つ精巧に表現されています。

歴史の裏話:実はこれ、単なる宗教的な飾りではなく、当時デンマークの支配下にあったスウェーデンが、1471年の戦いでデンマーク軍を破った記念に造られました。

「騎士=スウェーデン」「悪竜=デンマーク」「救われた王女=ストックホルムの街」を象徴していて、独立絵の強い意志がこめられています。

ストックホルム最古の絵画「幻日(Vädersolstavlan)」

1535年にストックホルムの空に現れた幻日(太陽の周りに光の輪や偽の太陽が現れる不思議な大気現象)を描いた絵画のレプリカ(17世紀のもの)が飾られています。

当時は「不吉な前兆、神の怒りだ」と大騒ぎになったそうで、当時のストックホルムの街並みが描かれた最古の視覚資料としてもとても貴重なものです。

豪華絢爛な「銀の祭壇」と「王室の椅子」 黒檀と純銀で作られた見事な主祭壇や、国王と王妃が儀式の際に座る、豪華な天蓋がついた特等席(王室専用席)があり、王室御用達の教会らしいきらびやかさを体感できます。

 

💡MEMO

大聖堂はストックホルム王宮の真隣(南側)にあるので、王宮のハイライトである「衛兵交代式(お昼頃)」の前後の時間に大聖堂の見学を組み込むと、無駄のない完璧な観光ルートになります。

 

住所 Trångsund 1, 111 29 Stockholm, スウェーデン
開館 毎日 9:30~17:00
休館 なし
見学料金 SEK 100(ストックホルム・パスで入場可)
URL Stockholms domkyrkoförsamling

 

大広場(Stortorget)

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ガムラ・スタンが形成された13世紀頃から存在する、街で最も古い広場で、中世にはここに市場が立ち、街の行政や商業の全ての中心で、ここを起点に「王宮」や「大聖堂」、「一番狭い路地」など、あらゆるスポットへ四方八方にアクセスできます。

 

大広場をただの「映えスポット」で終わらせないために、ぜひ訪れる前に頭に入れて起おきたい、周囲の建物に隠された歴史のエピソードがあります。

 

赤い壁の建物と「92個の白い石」(番地:Stortorget 20)

広場で最も有名な、17世紀に建てられた赤い正面の建物。

1520年、デンマーク王クリスチャン2世がスウェーデンの貴族ら約80~90名をこの広場で処刑した「ストックホルムの血浴」がおきました。

この建物の窓の周りにある92個の白い石は、その時の犠牲者の頭数を表し、彼らを追悼するために埋め込まれたという衝撃的な伝説が遺されています。

💡MEMO

実際には、後世に装飾としてデザインされたものというのが歴史的な事実ですが、現地でもとても有名な都市伝説となっています。

黄色い建物と「壁に埋まった大砲の弾」(番地:Stortorget 22)

赤い建物の右隣にある、美しいパステルイエローの建物。

この建物の左上の角、1階と2階の間辺りをよく見ると、大砲の弾が壁にめり込んだままになっています。

これは、独立の英雄グスタフ1世がデンマーク軍からストックホルムを奪還しようと攻撃した際のもの、あるいは後世に歴史を忘れないために記念として埋められたものと言われていて、隠れた名物となっています。

過去の全ての中心「大広場の井戸」

広場の中央に建つ重厚な石造りの井戸で、18世紀に設置されたもので、かつては市民の大切な水源でした。

当時、スウェーデン国内の全ての都市への距離を測る際、「この井戸がある場所を0キロ地点(基準点)」として計測されていて、文字通りの国全体の中心だった場所なのです。

 

💡MEMO

昼間は観光客やツアー団体でとても賑わいますが、朝の8~9時頃に訪れると、まだお店が開く前の静寂に包まれた中世の広場を独り占めできます。

 

 

フィンランド教会(Finska kyrkan)

 

17世紀にこの場所にあった建物(かつての室内球技場など)を買い取り、1725年にスウェーデン在住のフィンランド人コミュニティのための教会として整備されました。

 

黄色の落ち着いた外壁で、ガムラ・スタンの他の大聖堂に比べるとコンパクトで小ぢんまりとしていて、内部は美しいオルガンやクリスタルのシャンデリアがあり、静かで厳かな空気が流れています。

 

この教会の知名度を圧倒的に高めているのが、建物の裏庭(中庭)にあるスウェーデン一小さな像「アイアン・ボーイ(Järnpojken)」という小さなブロンズ像です。

 

正式名称は「月を見上げる少年(Pojke som ser på månen)」といい、高さは僅か15cmほどで、うずくまって膝を抱え、夜空を見上げているような愛らしい姿をしていて、スウェーデンで最も小さな公共の像として愛されています。

 

冬になると地元の人や観光客が手編みの小さな帽子やマフラーを着せてあげたり、季節や日によって衣装が変わります。

 

「彼の頭を優しく撫でると幸運が訪れる」「コインをお供えして願い事をすると叶う」「もう一度ストックホルムに戻ってこられる」と言われていて、世界中の旅行者が訪れては頭を撫でていくため、少年の頭だけピカピカに光っています。

 

📍行き方のヒント

フィンランド教会及びアイアン・ボーイは「ガムラ・スタンで最も迷子になりやすい場所」のひとつです。

行き方のヒントとして、フィンランド教会の入口を目指すのではなく、教会の南側にある細い路地から「教会の裏庭(中庭)」へと繋がる小さな鉄格子のゲートを探してください。

一見すると「ここ入っていいの?」と思うような静かなエリアですが、ゲートをくぐると小さな広場があり、その中央にちょこんと少年が座っています。

 

モーテン・トローツィグ・グレン(Mårten Trotzigs gränd)

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モーテン・トローツィグ・グレンは、ガムラ・スタンの南側に位置する、ストックホルムで「最も狭い路地」です。

 

ガムラ・スタンには中世の面影を残す魅力的な路地が無数にありますが、ここは群を抜いてユニークな場所で、アイアン・ボーイと並ぶ2大面白スポットとして観光に組み込みたい名所です。

 

路地の一番狭い場所は、幅が僅か90cmしかなく、大人が両手を横に広げると、余裕で両側の壁に手が届いてしまうほどの狭さです。

 

この路地はただの平坦な道ではなく、高低差を繋ぐ36段の石造りの階段になっていて、上から覗き込むと、両側の高い壁に挟まれた補足薄暗い階段が下へと続いていて、まるで秘密の抜け穴のような独特の雰囲気が漂っています。

 

「モーテン・トローツィグ」とは、16世紀末にこの路地の周辺に土地を買い、商人として大成功を収めたドイツ人「モーテン・トローツィグ(Mårten Trotzig)」の名前にちなんでいて、「グレンド(gränd)」はスウェーデン語で「路地」という意味になります。

 

📍入口を見落とさないで

主要なショッピングストリートである「ヴェステルロングガータン(Västerlånggatan)」通り沿いにありますが、入り口があまりにも狭いため、ウッカリしていると気付かずに通り過ぎてしまいます。

 

📍スリに注意

とても狭く、すれ違うときに体が触れ合うほどの場所なので、写真を撮るのに夢中になっている間のスリ対策は忘れないでください。

 

歴史の裏話と「一度消えかけた」エピソード

実はこの路地、ずっと今の姿で愛されてきたわけではありません。

 

中世以降、この狭い路地は治安の悪化や衛生上の問題から、18世紀後半に一度両端を壁で完全にふさがれ、街のマップから抹消されていた時期がありました。

 

しかし、20世紀半ば(1945年)になって「中世の貴重な建築遺産を復活させよう」という動きが起こり、約150年ぶりに再び一般に開放されました。

 

今私たちがここを歩けるのは、近代の歴史保存の努力のおかげでもあるのです。

 

ドイツ教会(Tyska kyrkan)

File:Gamla stan, Tyska kyrkan, tower.jpg

 

ガムラ・スタンにあるドイツ教会は、旧市街の空にひっそりと、しかし力強くそびえ立つ、歴史的に非常に重要な教会で、正式名称は「聖ゲルトルード教会(Sankta Gertruds kyrka)」といいます。

 

緑色の美しい尖塔の高さは96mあり、ガムラ・スタンの中にある建物の中で最も高い、街の圧倒的なランドマークです。

 

中世(14~15世紀)、北欧の貿易を支配していた「ハンザ同盟」のドイツ人商人たちがガムラ・スタンに大勢移住してきた際、彼らが自分たちの言語(ドイツ語)で礼拝を行い、商売のネットワークを強めるための拠点として、16世紀後半に正式な教会として登録され、現在でも日曜日にはドイツ語での礼拝が行われています。

 

眩いばかりの「王の席(King's Gallery)」

入ってすぐ目を引くのが、1672年に作られた、彫刻と金箔で彩られた豪華な「空中バルコニー」のような特別な席です。

これは、当時スウェーデン宮廷を訪れたドイツ系の王族たちが着席するために作られた特等席で、教会のシンボル的な装飾です。

光が降り注ぐ「美しいステンドグラス」

ガムラ・スタンにある教会の中でも、ここのステンドグラスは特に大きく色彩が豊かです。

天気のいい日に訪れると、中世の物語が描かれたガラスを通して色鮮やかな光が聖堂内に差し込み、溜息が出るほどの美しさです。

街に響き渡る「カリヨン(組み鐘)の音色」

この教会の塔には合計37個の鐘が組み込まれていて、毎日4回(8時、12時、16時、20時)、美しいメロディを街中に響かせます。

ガムラ・スタンの石畳を歩いているときにこの音が聞こえてくると、一気に中世ヨーロッパの雰囲気に没入できます。

 

「ガムラ・スタン=可愛いカラフルな街」という印象が強いですが、このドイツ教会の存在は、かつてこの街が国際的な貿易都市として大いに栄えていた証拠でもあります。

 

歴史を少し肌で感じながら、美しいステンドグラスに癒されたい大人旅におすすめの場所です。

住所 Svartmangatan 16, 111 29 Stockholm, スウェーデン
開館

6~8月 毎日 10:30~16:30

9~5月 金・土 11:00~15:00 日 12:30~16:00 

休館 9~5月 月~木
見学料金 SEK 30
URL Tyska S:ta Gertruds församling

 

ストックホルム宮殿(Kungliga slottet:王宮)

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ガムラ・スタンの北端に堂々とそびえ立つストックホルム宮殿は、旧市街観光のプロローグ、あるいはハイライトとして絶対に外せないスポットです。

 

単なる「過去の遺物としての城」ではなく、現在もスウェーデン国王の公式な職務質として現役で使われているという点が、この宮殿の特別なところ。

 

18世紀に完成したイタリア・バロック様式の傑作で、内部には600以上の部屋があり、現役で使われている宮殿としては、ヨーロッパでも最大級の規模を誇ります。

 

もともとは13世紀に建てられた「トレ・クローノール(3つの王冠)城」という要塞がベースでしたが、1697年に大火災で全焼、その後、約60年の歳月をかけて現在の豪華絢爛な宮殿へと生まれ変わりました。

 

国家室と王室の居室(The Royal Apartments)

歴代の国王たちが実際に暮らし、外交を行った豪華な部屋を見学できます。

金箔で彩られた天井画、重厚なシャンデリア、美しいタペストリーなど、王室の富と権力を肌で感じられるエリアです。

中でも、スウェーデン最高位の勲章を授与する儀式などが行われる「国家室(State Apartments)」の王座は圧巻の一言です。

宝物館(The Treasury)

宮殿の地下にある、薄暗く厳重に守られた展示室で、ここには、歴代の国王や王妃が戴冠式で実際に身に付けた本物の王冠や王笏、宝剣がずらりと並んでいます。

眩いばかりの特大の宝石が埋め込まれた王冠を間近で見ることができ、ファンタジー映画の世界のようなワクワク感を味わえます。

 

宮殿の内部見学と同じくらい(あるいわそれ以上に)観光客に大人気なのが、宮殿の中庭で行われる「衛兵交代式」です。

 

軍楽隊の華やかな演奏とともに、ブルーの制服(冬はグレーやネイビー)に身を包んだ衛兵たちが一糸乱れぬ行進を披露し、馬に乗った騎馬隊が登場することもあり、まるで中世のパレードのような迫力です。

 

💡MEMO

とにかく大人気で世界中から観光客が集まるため、開始の20~30分前には宮殿の西側の中庭(Outer Courtyard)に行って場所を確保するのがおすすめです。

 

住所 Kungliga slottet, 107 70 Stockholm, スウェーデン
開館

5~9月 毎日 10:00~17:00

10~4月 毎日 10:00~16:00

衛兵交代式:通常、平日は12:15頃から、日・祝日は13:15頃からスタート(所要時間は約40分ほど)

休館

なし

※現在も現役の宮殿であるため、スウェーデン王室が公式な晩餐会や国家のレセプションを行う日は、一部の部屋(または全館)が予告なくクローズすることがあります。(公式サイトで要Check)

見学料金 SEK 170(ストックホルム・パスで入場可)
URL Kungliga slottet - Kungliga slotten

 

ノーベル博物館(Nobelprismuseet)

File:Börshuset, Stockholm, 2019 (01).jpg

 

ガムラ・スタンの中心、大広場に面して立つノーベル博物館は、世界で最も権威のある賞「ノーベル賞」の全てが詰まった場所です。

 

科学や歴史、文学に詳しくない方であっても、「ここだけのユニークな体験や限定グルメ」があるため、ガムラ・スタン観光では外せない超人気スポットです。

 

もともとは18世紀に建てられた「証券取引所」のビルでしたが、ノーベル賞創設100周年を迎えた2001年に博物館としてオープンしました。

 

創設者アルフレッド・ノーベル(Alfred Nobel)の生涯や遺言、そして歴代のノーベル賞(物理学、化学、生理学・医学、文学、平和、経済学)の受賞者たちの偉大な功績やストーリーを映像やユニークな展示で直感的に学べる空間です。

 

💡MEMO

この博物館の2階は、ノーベル文学賞を選考する「スウェーデン・アカデミー」の本部になっていて、毎年10月の発表当日には、世界中の報道陣がこの建物の前に大集結し、受賞者の名前が発表される瞬間を見守ります。

 

もし発表の時期に訪れるのなら、歴史が動く瞬間に立ち会えますね!

 

【超定番グルメ】晩餐会のアイスクリームを味わう

併設されているカフェ「ビストロ・ノーベル(Bistro Nobel)」では、毎年12月に開催されるノーベル賞の晩餐会で、実際に受賞者たちが食べていたものと全く同じレシピのアイスクリームを注文することができます。

ノーベルの横顔が刻まれた特製の「金メダルチョコ」がちょこんと添えられていて、受賞者気分を味わえる特別なスイーツです。

カフェの「椅子の裏」を覗き込むスリル

ビストロ・ノーベルを訪れたら、自分が座る椅子の裏側を必ず覗き込んでみてください。

ここを訪れた歴代のノーベル受賞者たちが直筆のサインを残していくという伝統があります。

日本人受賞者のサインが書かれた椅子もたくさん置かれているので、誰のサインがあるか探してみましょう。

天井を流れる「受賞者たちのポートレート」

館内の天井を見上げると、クリーニング屋さんのレーンのように、歴代の受賞者たちの写真と名前が書かれたパネルが、次から次へとゆっくり周っています。

日本の偉人たちの姿を見つけるのも楽しく、空間デザインとしてもモダンでお洒落です。

 

💡MEMO

ミュージアムショップで買える、ノーベル賞のメダルを忠実に再現したチョコレート(通称:ノーベルチョコ)は、ストックホルム旅行の定番中の定番土産です。

ばら撒き用にもぴったりで、ここでしか買えないプレミアムなお土産です。

住所 Stortorget 2, 103 16 Stockholm, スウェーデン
開館

開館日時は日によって細かく分かれているため公式サイトで要確認

Öppettider - Nobel Prize Museum

休館

開館日時は日によって細かく分かれているため公式サイトで要確認

Öppettider - Nobel Prize Museum

見学料金 SEK 160(ストックホルム・パスで入場可)
URL Nobel Prize Museum

File:Gamla stan (24830585706).jpg

 

最後に・・・

13世紀から続く重厚な歴史と、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだかのような愛らしい街並みが同居するガムラ・スタン。

 

王道の観光名所をじっくり巡るのも、当てもなく細かい路地を歩いて自分だけの隠れたお気に入りスポットや大砲の弾を見つけるのも、すべてが特別なたびの思い出になります。

 

最後に、ガムラ・スタン観光を100%楽しむためのポイントをお伝えしておきます。

 

  • 足元はスニーカー必須:中世のデコボコした石畳が続くので、歩きやすい靴が絶対です。
  • 完全キャッシュレス:現金は不要ですが、クレジットカード(またはタッチ決済)を忘れずに
  • 時間は計画的に:1日1時間限定の「貴族の館」や、お昼の「衛兵交代式」の時間に照準を合わせてルートを組むのがスマートです。

 

コンパクトな島ですが、見所がギュッと詰まったガムラ・スタンは、下調べをして行くことで何倍もディープに楽しむことができます。

 

ぜひこの記事を参考に、効率よく充実した街歩きを計画してみてください。

 

歩き疲れたら、ぜひお気に入りのカフェで本場の「フィーカ」を体験して、北欧の心地よい時間を肌で感じてみてください。

 

あなたのストックホルム旅が、一生忘れられない素敵なものになりますように!