◆ATTENTION◆
2022年12月23日以降、新型コロナウイルス関連の入国規制は解除されており、ラオス入国時の陰性証明書、ワクチン接種証明書の提示は不要、入国規制等も撤廃となっています。
ラオスの朝は早い。
毎朝僧侶が町を練り歩く「托鉢」があるから。
この記事では、ラオスはルアンパバーン(Luang Phabang)で体験した托鉢について詳しくお話したいと思います。
ラオスでは、早朝5時半頃から鮮やかなオレンジ色の袈裟を纏った僧侶が、喜捨を求め長い行列をつくって歩いています。
これがラオスの一日の始まりの風景です。
旅行中、目覚まし時計をかけることを嫌う私ですが、ラオスにはとんでもない目覚まし時計があります。
毎朝3時頃から1時間おきにしっかり鳴ってくれる目覚まし時計…
その正体は、ホテル前の民家で飼育されているニワトリ。
本当に目覚まし時計のように、時間がセッティングされているんじゃないか?と思うくらいしっかり1時間おきに鳴くんです。
これじゃ寝れやしない。
結構色んな所からニワトリの鳴き声が聞こえていたので、ニワトリに起こされる観光客が多いんじゃないかと思います。
話が少し逸れてしまいましたが、そんな早朝のラオスを体験しようじゃないですか。
ルアンパバーンで托鉢体験
敬虔な仏教国、ラオス。
そんなラオスで最も荘厳な托鉢と言われている、朝の僧侶の托鉢。
そもそも「托鉢」とは、修行僧が町を歩き「喜捨」を受け取る修行のことを言います。
日本でもたまに見かけると思うのですが、傘を被って黒い袈裟を纏った僧侶のような人が、駅前や街中などで黙ってじっと立っている姿を見たことはありませんか?
私は托鉢を学ぶまで、ただの街頭募金?物乞い?にしか見えていなかったのが正直な所だったんですが、あれは街頭募金でも物乞いでもなく、日本で行われている托鉢なのです。
托鉢は、ただ無心に只管歩き、喜捨したい人が現れればそれを受け取るという修行なんだそうです。
そのため、僧侶から喜捨をお願いすることはなく、喜捨を受け取ったとしてもお礼を言うこともないそうです。
お礼を言ってしまえば、それは寄付や募金活動となってしまい、托鉢ではなくなるのだそうです。
こんな例え話があって、人々が先祖に届けたいお供え物を僧侶に託すことで、僧侶が先祖に届けてくれるというものです。
お礼を言わないことに何となく納得できる気がしませんか。
托鉢は、喜捨する人にとっても自分の財産など「浄財を手放す」「執着を断つ」という修行になるそうです。
「喜捨」という文字通り、「喜んで捨てる」という修行であり、徳を積むことになるのだそうです。
そんな托鉢ですが、托鉢自体はラオス全土で見ることができるのですが、ルアンパバーンで毎朝行われている托鉢が、世界最大規模だということです。
ルアンパバーンで浄財を手放し、執着を断つ修行をしてみましょう!
ルアンパバーンで托鉢体験:時間と場所
ルアンパバーンの托鉢は、日の出の時間により多少の前後はありますが、だいたい朝5時半頃にお寺の鐘と共に始まります。
ここ日本で朝5時半頃にお寺が鐘の音を鳴らしたりなんかしたら…きっと苦情が来ること間違いなしですね。
除夜の鐘にイチャモンをつけるようになったのですから。
托鉢はルアンパバーンの町全体で行われているのですが、最も長い行列や、いくつもの托鉢の列が交錯する光景が見れるのは、寺院が集中している「サッカリン通り(Sakkaline)」と「クワンスー通り(Kounxoau)」になります。
サッカリン通りは、通りの道も広く観光客で賑わっているのですが、よりローカル感のある托鉢を見たい方は、クワンスー通りの托鉢がお勧めです。
クワンスー通りも観光客はいるのですが、サッカリン通りに比べて観光客は疎らで、静かな従来の托鉢を見ることができます。
この時間帯は、交通規制もされていて、自動車などの乗り入れがなくとても静かで、僧侶がヒタヒタと歩く足音だけが響いています。
私は偶然滞在したホテルがクワンスー通りだったので、バルコニーからでも見ることができる状態でしたが、上から僧侶を見下ろしてはいけない…という情報を聞いたことがあったので、バルコニーで見ることは控えました。
サッカリン通りの観光客向けの托鉢と、クワンスー通りの従来の托鉢では雰囲気が全然違うので、時間に余裕のある方は、両方体験してみてください。
ルアンパバーンで托鉢体験:お供え物
托鉢体験で必要なものといえば、喜捨するお供え物です。
従来の托鉢では「お米(うるち米)」をお供え物として僧侶に喜捨するらしいのですが、現在はお菓子なんかもお供え物として喜捨しているようです。
お供え物は、前日にローカルマーケットで準備しましょう。
当日、托鉢が行われている場所でお供え物を販売している売り子がいますが、これは禁止されている行為になります。
ルアンパバーンで托鉢体験:ルール
ルアンパバーンでの托鉢にはいくつかのルールがあります。
最近では、外国人観光客のルール違反が目立ち、ルール厳守の看板があったりもするのです。
必ずルール厳守で体験するようにしましょう。
◆ 見学の間は静かにする
◆ お布施のお米などはローカルマーケットで買う
◆ お布施をしない人は少し離れた場所で見学
◆ 至近距離での撮影はしない
◆ 適切な服装
◆ 僧侶に触れてはいけない
◆ 高い位置からの見学はしない
お布施は自分にとって意味深く、かつ敬意を持って行うことができる人のみができる。
托鉢のコースに出ている売り子からは買わずに、前日にローカルマーケットで準備をする。
お布施をしない人は、少しはなれて行儀良く見学をすること。
絶対に人の列に割り込んだりしない。
特にフラッシュ撮影は距離があってもしない。
肩・旨・脚の見える露出度の高い服装はしない。
僧侶には絶対触れない。
女性が僧侶に話しかけることもしてはいけないと聞いたことがありますが、これについては真相は不明です。
僧侶より高い位置での見学は不敬となる。
ルアンパバーンで托鉢体験:How to お布施
至るところに観光客用にイスが用意されています。
ただ、本来はイスに座って行うのではなく、靴を脱ぎ膝立ちした状態でお布施をする方法が本来の托鉢の姿です。
あとは、地元の方々を見よう見真似でお布施をしましょう。
托鉢で喜捨されたお供え物は、寺院で一旦集めてそれを僧侶が食べ、残りのものは近所の貧しい人などに配られているそうです。
そのため、東南アジア最貧国といわれるラオスには、物乞いをしている人を見かけることがありません。
と聞いて訪れたのですが、本当でした。
早起きして、喜捨をして、浄財や執着を手放す。
ラオスで早起きをして托鉢を体験して、最高の旅になること間違いなしですね。
托鉢のあとに:モーニングマーケット(朝市)
托鉢のあと午前7時からは、モーニングマーケットが開催されています。
托鉢が行われているサッカリン通りから、シーサワンウォン通り(Sisavangvong)まで行き、シーサワンウォン通りの一つ川よりの筋で小さな小道いっぱいにマーケットが出ています。
見たこともないようなユニーク(所謂ゲテモノ)な食材から、一般的な野菜などが豊富に揃っています。
また、その場で食べれるようなラオス版B級グルメ的な物も多数あるので、朝からラオスのグルメで朝食を済ませてもいいかもしれません。
ラオスはパンが美味しいので、カフェでの朝食もお勧めです。
せっかく托鉢で早起きしたのです。
朝のラオスを目一杯楽しみましょう。
モーニングマーケットで朝食を取ったら、そのままクアンシーの滝に向かうのもありだと思います。
托鉢体験で素晴らしい朝を向かえ、伝統的なモーニングマーケットで朝食を取り、クアンシーの滝で癒される。
ルアンパバーンの素敵な一日になると思います。
時代と共に姿を変える托鉢
ルアンパバーンは、1995年に町全体がユネスコ世界遺産に登録されました。
日本では、ラオスが人気の観光地として取り上げられることは比較的少ないのですが、欧米ではルアンパバーンが常に人気ランキング上位の目的地となっています。
そのため、多くの観光客が押し寄せるようになり、良くも悪くもルアンパバーンの托鉢は、その姿をどんどん観光客向けに変化させています。
ルアンパバーンの托鉢は、他の地域の托鉢に比べて少し遅い時間から始まります。
本来であれば、暗い時間帯から始まるのですが、暗い時間の托鉢だと観光客が写真を撮る際にフラッシュをたきます。
そのフラッシュは、ただ単純に迷惑なだけでなく、僧侶の目によくないのです。
そのため、ルアンパバーンの托鉢は、明るくなる直前の時間帯から始まるようになりました。
そして、観光客の混雑を招かないために、本来であれば僧侶は自分のお寺の周辺を周るのですが、今では全ての僧侶が決められたルートを歩くようになっているそうです。
また、本来であれば、僧侶の前に立ってはいけないけれど、観光客はお構いなしで僧侶の前に立って写真撮影をしたりします。
敬意の欠けたこのような行為は「禁止」とはされていますが、特に誰かが注意するわけでもなく、お咎めなしの状態です。
そんなマナー違反の多い観光客に対して、お供え物を売る売り子も禁止されている行為ですが、需要と供給の関係で地元の方のお供え物販売も横行している状態なのです。
もちろん情報を持たない観光客とすれば、お供え物を売ってもらえるので、とてもありがたいのですが、禁止されていることなのでルールは守るようにしたいですね。
このように観光客が増えたことによって、元々済んでいた住民は、住んでいた家を売って郊外へ移住してしまったそうです。
町の中心では地元住民が減り、伝統的な托鉢が成り立たないのですが、それを観光客が支えているということもあり、どんどん托鉢の姿が変わりつつあるのです。
観光客はラオスの伝統文化を知ろうと托鉢体験をしますが、実際はかなり様変わりした文化を体験しているのです。
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最後に…
ラオスで邪念を捨てる。
ラオスは「何もしないを楽しむ場所」として紹介されていたのですが、何もないわけではないけど、ラオス周辺の国に比べると、やはり観光する場所が少ないです。
そのおかげで、のんびり旅行できる場所で、個人的には東南アジアでのんびりしたいときに、バリかラオスを選択しています。
「何もない」が楽しめる場所、ラオスで浄財を手放し、執着を断ち、全ての邪念を捨ててしまいましょう。
素敵なラオスの旅になることを願っています♡