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EUでは、テロの脅威、観光客の増加、継続する地域への移民流入への対応として、ヨーロッパ旅行情報認証システム(ETIAS:事前渡航認証システム)を開始する予定で、欧州旅行情報認証制度、またはETIASビザ免除は、2025年以降に日本からヨーロッパへ旅行するための旅行要件となります。
日本国籍保持者がヨーロッパを旅行する場合、ETIASビザ免除をオンラインで申請する必要があります。
春にオランダを訪れる方は、チューリップ畑を目当てに訪れる方も多いのではないでしょうか。
オランダの春といえば、一番に思いつくのが「チューリップ」ですよね。
そして、オランダに訪れる方が「オランダ チューリップ」で検索すると、確実に「キューケンホフ(Keukenhof)」が検索結果に並ぶと思います。
キューケンホフは、世界的にも有名でオランダを代表するチューリップ畑を観ることができる場所です。
ただ、ここで問題なのは、キューケンホフのチューリップ畑は世界中の旅行者に知れ渡り人気の観光地なので、せっかくの大きな公園で優雅な場所でありながら、人が多く常に混雑しているのです。
お花畑を楽しむのであれば、やはりゆったりと穏やかな気分で楽しみたいですよね。
私同様、「人混みが苦手」「ゆったりと観光したい」という方にはピッタリのチューリップ畑が、オランダの北西部にある「ザイプ(Zijpe)」という場所にあるので、この記事ではザイプのチューリップ畑を紹介したいと思います。
このザイプのチューリップ畑、キューケンホフほどの認知度はありませんが、実は世界最大級のチューリップ畑で、キューケンホフに見劣りしないチューリップ畑なのです。
チューリップ畑:オランダ
水の国と言われるオランダは、「低い国」を意味するネーデルランド王国ともいわれ、その名の通り今現在でも国土の26%が海抜以下(海より低い)にあります。
そのため、湿地の多かったオランダは、人間が生活をするには環境の悪すぎる場所でした。
そこで、オランダの人々は住みやすい環境を造るべく、海や川から土地を守るために堤防を造ったり、オランダを代表するイメージである風車を活用して干拓地を造りました。
今では、川や運河などたくさんの水の流れが風車の中にあり、「水の国」と言われています。
そんなオランダ特有の土壌は、チューリップをはじめとする球根から育つ花の栽培に適しているということで、オランダのチューリップの栽培が盛んになり、長い年月を経て世界中でオランダのチューリップが有名になったのです。
3月半ばから5月半ばにかけて、オランダ各地で数々の花畑を楽しむことができ、クロッカスや水仙、ヒヤシンス、そしてチューリップと、オランダ中を鮮やかに彩ります。
チューリップ:ルーツ
チューリップは、オランダが原産国だと思っている方もいるかと思いますが、実はオランダのチューリップの歴史は16世紀にオスマン帝国デ栽培されていたチューリップが伝わったのが始まります。
オスマン帝国
史上最も強大な帝国のひとつとして知られるオスマン帝国。最初はアナトリア地方(現在のトルコ)に誕生したトルコ系の集団だったが、最盛期には北はオーストリアのウィーン、東はペルシャ湾、西はアフリカ北西部のアルジェリア、南はアラビア半島南部のイエメンに至る領土を有する広大な国に発展した。
ライデン大学に教授として在籍していた植物学のパイオニア「カロルス・クルシウス(Carolus Clusius)」がトルコからチューリップを持ち込み栽培したのが始まりと言われています。
1592年にクルシウスが、チューリップに関する文献を発表したことにより、瞬く間にチューリップ人気が過熱していきました。
チューリップを栽培する人が増え、希少な品種は高値で取引されるようになり、「チューリップバブル」という事態に発展したそうです。
そんな歴史を経て、現在ではオランダを代表する花となりました。
チューリップ:ベストシーズン
チューリップは3月末ごろから花を咲かせ始めます。
満開のチューリップを観たいのであれば、4月半ば頃が一番の見頃となっています。
日本人が訪れやすいゴールデンウィークは、少しピークを越えていますが、それでも十分なほどのチューリップ畑を楽しむことができます。
もちろん自然のものなので、その年の天候など様々な自然の影響を受けるため、豊作の年もあれば、不作の年もあるということは念頭に置いておいてください。
世界最大級にして超穴場!チューリップ畑といえば「ザイプ(Zijpe)」です
ザイプは、オランダの中でも観光客にはあまり知られていないオランダ北西部にある場所で、アムステルダムから北へ60㎞程のところにある、北海に面した長閑な田舎町です。
アムステルダムから電車とバスを乗り継いで約1時間半、車だと約1時間くらいで行くことができます。
オランダらしい広大な自然や風景を楽しみたい方には、かなり穴場の場所と言えます。
ザイプには、世界最大規模の面積を誇るチューリップ畑があり、世界最大にもかかわらず、それほど観光地化されていない(と思うほど人が少ない)ため、ほとんどチューリップ畑を独り占め状態で楽しめます。
その広さ約90万㎡となっていて、この広さは東京ドーム約20個分の広さを誇っています。
この広大な土地をチューリプが埋め尽くしていて、もう一つオランダを代表する風車が至る所にあって、これぞオランダ!という景色を堪能することができます。
ザイプ(Zijpe):アクセス方法
乗換があり、少しややこしそうにも思いましたが、意外に簡単に行く事が出来ました。
アムステルダム中央駅 → 🚄 0:40 🚄 → アルクマール(Alkmaar)駅 → 🚌 0:30 🚌 → ペッテン(Petten)バス停
所要時間 | 約1時間半 |
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電車料金 | €8 |
バス料金 | €4 |
アムステルダム中央駅(Amsterdam Centraal)から、電車(Intercity:特急・Sprinter:各停)に乗って、オランダの有名な観光地でもある「アルクマール(Alkmaar)」駅まで行きます。
アルクマール駅に到着後、ホームからエスカレーターを上り、左側の改札を出ればすぐにバスターミナルがあります。
バスターミナルから「151」番バスに乗車して、バスの終点「ペッテン(Petten)」で下車すれば、世界最大級のチューリップ畑のお目見えです。
下記マップで囲った一帯が全てチューリップ畑になっていて、ここを一周すると約14㎞あります。
アルクマール駅からのバスは1時間に1本のため、時間がGoogleマップで調べることができるので、そちらで確認して行くようにしましょう。
もしくは、オランダの公共交通機関を一気に調べることのできるアプリ「9292」が時刻も料金も同時に調べることができるのでお薦めです。
9292 reisplanner OV + e-ticket
9292無料posted withアプリーチ
日本語対応はなく英語版のみですが、簡単な英語になっているので問題なく使えると思います。
9292はオフラインでの使用不可です。
ザイプ(Zijpe):チューリップ畑周遊方法
ザイプ到着後、この一帯を徒歩で散策するのもいいのですが、お薦めは自転車をレンタルすることです。
なお、ウォーキングツアーもあるので、そちらに参加しても楽しむことができます。
◆ 自転車レンタル
◆ ウォーキングツアー参加
チューリップ畑周遊方法:自転車レンタル
ペッテンのバス停に到着したら、バス停の前にコンビニエンスストア「SPAR」があって、そこで自転車をレンタルすることができます。
レンタル料 | €5 |
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特に時間制限がないのか、レンタル時に時間制限については何も触れられず、私が3時間くらいで返却した際に、もうしいの?という反応をされたので、その日のうちに返却すれば問題ないのだろうと思います。
ここの自転車ですが、オランダ人仕様になっていて、身長が高い方向けになっています。
私は身長161㎝ですが、何とか爪先でこげる状態で、サドルに座って足が付かない状態でした。
160㎝以下の方は、かなり厳しいかと思いますので、何㎞も歩けないという方は、アムステルダムで自転車をレンタルしていくことをお薦めします。
オランダは自転車大国なので、至る所にレンタル自転車があります。
また、電車も自転車の持込が可能になっているので、問題なくアムステルダムからレンタルしていくことができます。
この場所は、本当に観光客が疎らにしかいません。
疎らにはいるものの、遠くの方に人がいるな…という感じで、ほとんど人とすれ違うことはありませんでした。
また、全てのチューリップ畑は個人所有の土地で、普通に住民の方が畑仕事をしていて、写真を撮ろうとしていたら「入っていいよ」なんて声をかけてくれたりします。
インスタ映えの写真を撮りたい方、人が写り込まないようにタイミングをみなくても、いつでもインスタ映え写真を撮ることができます。
チューリップ畑周遊方法:ウォーキングツアー参加
ザイプでは、チューリップが咲く時期に様々なイベントが行われているのですが、チューリップを楽しみたい方向けに、チューリップ畑を散策するウォーキングツアー(コース選択制:7.5km・8km・15km・20km・30km)があります。
2024年は4月21日の開催が決定しているそうです。
ザイプにあるチューリップ畑は、すべて個人の方が所有している土地なので、本来勝手に入ることはできないのですが、このウォーキングツアーに参加すれば、チューリップ畑の中を散策することが許可されます。
参加費用:事前予約 | 大人:€8.50 / 子ども(12歳まで)€3 |
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参加費用:当日 | 大人:€10 / 子ども(12歳まで)€4 |
開催時間 | 8:00 ~ 17:00 |
出発時間 | 20km・30km:8:00~12:00まで 7.5km・8km・15km:8:00~14:00まで |
出発時間はコースによって決められた時間内であれば、スタート時間は自由になっています。
ツアーは事前予約でも、予約せずに当日そのまま現地に行っても参加可能です。
また、希望のコースを下記から選択できるようになっていて、それぞれのコースで出発場所が違います。
7.5km・15km・20km | Camping de Nollen |
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8km・30km | Land van Fluwel Avonturenparadijs |
受付時にスタンプカードをもらい、各自でスタートしてチューリップ畑の中を案内板に沿って自由に散策・写真撮影などができます。
コースの途中に休憩スペースがあり、そこでスタンプをもらったり、その土地を所有している方がクッキーなどを用意してくださいっているので、少しの休憩や交流を楽しむことができます。
散策コース終了後は修了証書?をもらってウォーキングツアーの終了となります。
開催時間の8:00~17:00までであれば、何時間でも滞在可能です。
ただ、観光客の私たちにとっての難点があり、ペッテン到着後の公共交通機関がなく、移動手段がありません。
出発地点まで行くために自転車をレンタルするのであれば、わざわざツアーに参加しなくてもいいのかな…となる方も多いと思います。
アルクマール(Alkmaar)
ザイプに電車で訪れる方は、乗換地点のアルクマール観光をしてみてはいかがでしょうか。
アルクマールは、アムステルダムから電車で約40分程の場所にあり、毎週金曜日の朝10時からチーズのセリが行われている「チーズ市」が有名です。
チューリップ畑のあるザイプとアムステルダムの中間に位置する場所ですので、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
アルクマールの観光といえば、紛れもなく「チーズ市」です。
1365年から始まった伝統的なチーズのセリを観ることができます。
当時は重さをはかる天秤が一つしかなく、全てのチーズの取引は「ワーグ広場(Waagplein:チーズ博物館前)」で行われていました。
このチーズ市では、最大30,000㎏、もしくは2,200個のホールチーズが並べられており、想像を絶する光景を目の当たりにすること間違いなしです。
また、チーズ市の日は数多くの露店が並ぶため、ちょっとしたお祭りのような雰囲気になっています。
チーズマーケット | |
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開催 | 3月の最終金曜日~9月までの毎週金曜日10:00~13:00 |
ナイトチーズマーケット | 7・8月の毎週火曜日19:00~21:00 |
オランダで観れる主なチューリップ畑
オランダでは、ザイプだけでなく数多くの広大なチューリップ畑があるので、旅行の日程を考慮して訪れやすい場所を計画に入れてみてください。
◆ キューケンホフ:Keukenhof
◆ ザーンセ・スカンス:Zaanse Schans
◆ チューリップルート
キューケンホフ:Keukenhof
キューケンホフは、言わずと知れたオランダを代表するチューリップ畑をはじめとしたお花の庭園です。
敷地は32ha、東京ドーム約7個分の場所に100種類、450万本ものチューリップが咲いています。
また、このフラワーパーク内にある700万株の球根の花の植え付けは、同じ場所で複数回花を咲かせるために工夫して植え付けをする「マルチレベルプランティング」という手法を用いて作業が行われています。
そのため、このキューケンホフ公園が開館中、同じ場所で3度花が咲くようになっています。
2024年開催期間 | 2024年3月21日~5月12日 |
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2024年チケット販売開始 | Now on sale |
開園時間 | 8:00~19:30 |
チケット代 | 大人:€19.50/子ども(4歳~17歳):€9 |
チケットはオンラインのみの販売になっています。
なお、チケット代には、アムステルダムやアムステルダム・スキポール空港からの往復バス代を含むタイプのものもありますので、詳細は公式サイトを確認してください。
キューケンホフ内では現金は使用できず、全てキャッシュレスとなっていて、クレジットカードかデビットカードのみ使用可となっています。
オランダの駅でもカードしか使えない場所がありました。
ザーンセ・スカンス:Zaanse Schans
昔ながらのオランダの風景が観られるザーンセ・スカンスでは、風車とチューリップのコントラストが楽しめます。
ザイプやキューケンホフのような広大なチューリップ畑ではないのですが、17世紀から18世紀にかけてのオランダの暮らしを垣間見ることができる風景が広がっています。
チューリップルート
オランダのレフヴォラント(Flevoland)州にある、「ノールド・オースト・ポルダー(Noordoosstpolder)」では、全長100㎞、2,500エーカー(東京ドーム217個分)にも及ぶチューリップ街道があります。
ここはレンタカーなど、車がないといけない場所ですので、なかなか旅人には難易度の高い場所となっています。
開催期間 | 2024年4月13日~5月5日 |
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最後に…
総面積が九州程の小さな国ですが、とんでもなく大きな美しい自然があり、ザイプに行く道中は広大な土地でのんびり食事をする牛や羊、馬などと出会うことができます。
チューリップが目的である方であれば、ゴールデンウィークの休暇でオランダ旅行を計画に入れる方もいるかと思います。
せっかくゴールデンウィークの人混みを逃れ日本を脱出したのであれば、オランダでは人混みを避けて旅行したいと思いませんか?
ぜひ、人混みから抜け出し、存分に広大な自然を楽しんでください。
素敵なオランダ旅行になることを願っています。