ゴールデンウィークにオランダに行かれる方は、チューリップ畑を目指す方も多いのではないでしょうか。
オランダの春といえば一番に思いつくのは「チューリップ」ですよね。
そしてオランダに訪れる方が「オランダ チューリップ」で検索すると確実に「キューケンホフ(Keukenhof)」が検索結果に並ぶと思います。
キューケンホフは世界的にも有名でオランダを代表するチューリップ畑です。
ただ、ここで問題なのはキューケンホフのチューリップ畑は世界中の旅行者に知れ渡り人気の観光地なので、せっかくの大きな公園で優雅な場所でありながら人が多く常に混雑しているのです。
お花を楽しむのであれば、やはりゆったりと穏やかな気分で堪能したいですよね。
そんな私同様「人混みが苦手」「ゆっくり観光したい」という方にはピッタリのチューリップ畑がオランダは「ザイプ(Zijpe)」にあるので、この記事ではザイプのチューリップ畑を徹底ガイドしたいと思います。
しかもこのザイプのチューリップ畑、キューケンホフほどの認知度はありませんが、実は世界最大級のチューリップ畑なのです。
引用:https://www.hollandbovenamsterdam.com/en/
オランダ:チューリップ畑
水の国:オランダは、「低い国」を意味するネーデルランド王国とも言われ、その名の通り今現在でも国土の26%が海抜以下(海より低い)にあります。
そのため、湿地の多かったオランダは人間が生活をするには環境の悪すぎる場所でした。
そこでオランダの人々は住みやすい環境を作るべく海や川から土地を守る為に堤防を造ったりオランダを代表するイメージである風車を活用して干拓地を造りました。
今では川や運河など、たくさんの水の流れが風景の中にあり、水の国と言われています。
そんなオランダ特有の土壌は、チューリップをはじめとする球根から育つ花の栽培に適していることで、オランダのチューリップの栽培が盛んになり長い年月を経て世界中で有名になりました。
3月半ばから5月半ばにかけて、オランダ各地で数々の花畑を楽しむことができます。
クロッカスや水仙、ヒヤシンス、そしてチューリップとオランダ中を鮮やかに彩ります。
チューリップ:ルーツ
チューリップはオランダが原産国だと思っている方もいるかと思いますが、実はオランダのチューリップの歴史は16世紀から始まっていて、その16世紀にオランダにオスマン帝国で栽培されていたチューリップが伝わったのが始まりです。
ライデン大学に教授として在籍していた植物学のパイオニア、カロルス・クルシウス:Carolus Clusiusがトルコからチューリップを持ち込み栽培したのが始まりといわれています。
1592年にクルシウスがチューリップに関する文献を発表したことにより、瞬く間にチューリップ人気が過熱していきました。
チューリップを栽培する人が増え、希少な品種は高値で取引されるようになり、「チューリップ・バブル」という事態に発展したそうです。
そんな歴史を経て今ではオランダを代表する花となりました。
チューリップ:ベストシーズン
チューリップは3月末頃から花を咲かせ始めます。
満開のチューリップを見たいのであれば、4月半ば頃が一番の見ごろとなっています。
日本人が訪れることのできるゴールデンウィークは少しピークを超えていますが、それでも充分なほどのチューリップ畑を堪能することができます。
もちろん自然のものなので、その年の天候など様々な自然の影響を受けるため豊作の年もあれば不作の年もあるということは念頭に置く必要があります。
世界最大級のチューリップ畑(球根栽培地区)をもつ「ザイプ(Zijpe)」
ザイプはオランダの中でも観光客にはあまり知られていないオランダ北西部にある場所で、アムステルダムから北へ60kmほどのところにあり、北海に面した長閑な田舎町です。
アムステルダムから電車とバスを乗り継いで約1時間半、車だと約1時間くらいで行くことができます。
オランダらしい広大な自然や風景を楽しみたい方には、かなり穴場の場所になっています。
そこには世界最大規模の面積を誇るチューリップ畑があり、世界最大にもかかわらずそれほど観光地化されていない(と思うほど人が少ない)ため、ほとんどチューリップ畑独り占め状態です。
その広さ約90万㎡となっており、この広さは東京ドーム約20個分の広さを誇っています。
この広大な土地をチューリップが埋め尽くしていて、もう一つオランダを代表する風車が至る所にあって、これぞオランダという風景を作り出しています。
ザイプ(Zijpe):アクセス
乗換があり少しややこしそうにも思いましたが、意外に簡単に行くことができました。
アムステルダム中央駅→🚄 0:40 🚄→アルクマール(Alkmaar)駅→🚌 0:30 🚌→ペッテン(Petten)バス停
所要時間 | 約1時間半 |
---|---|
電車料金 | €8 |
バス料金 | €4 |
アムステルダム中央駅から電車(Intercity(特急)・Sprinter(各停))に乗って、オランダの有名な観光地でもあるアルクマール駅まで行きます。
アルクマール駅に到着後ホームからエスカレーターを上り、左側の改札を出ればすぐにバスターミナルがあります。
そのバスターミナルから「151」番バスに乗車してバスの終点「ペッテン」で下車すればすぐに世界最大のチューリップ畑のお目見えです。
下記マップで囲った一体全てがチューリップ畑になっており、ここを一周すると11kmあります。
アルクマール駅からのバスは1時間に1本のため、時間はGoogleマップで調べることができますので確認してください。
もしくはオランダの公共交通機関を一気に調べることのできるアプリ「9292」が日本語対応はありませんが、時刻も料金も調べることができて使えます。

ザイプ(Zijpe):チューリップ畑周遊
ザイプ到着後この一体を徒歩で散策するのもいいのですが、オススメは自転車をレンタルすることです。
また、ウォーキングツアーもありますので、そちらに参加しても楽しめます。
◆ 自転車レンタル
◆ ウォーキングツアー参加
自転車レンタル
ペッテンのバス停に到着したらバス停の前にコンビニエンスストア「SPAR」があって、そこで自転車をレンタルすることができます。
レンタル料 | €5 |
---|
特に時間制限がないのか、時間制限については特に何も触れられず、私が3時間位で返却した際、もういいの?という反応されたので、その日のうちに返却すれば問題ないのだろうと思います。
ここの自転車ですが、オランダ人仕様になっていて、身長が高い方向けになっています。
私は身長160cmですが、何とか爪先でこげる状態でサドルに座って足は付かない状態でした。
160cm以下の方はかなり厳しいかと思いますので、何kmも歩けないという方はアムステルダムで自転車をレンタルして行くことをオススメします。
オランダは自転車大国のため、至る所にレンタル自転車があります。
また、電車も自転車持込が可能になっていますので、問題なくアムステルダムからレンタルしていくことができます。
ただ、車輪が大きいので進み方は異常に早く感じます。
この場所は本当に観光客が疎らにしかいません。
疎らにはいるものの、遠くの方に人がいるな…という感じで、ほとんど人とすれ違うことはありません。
また、全てのチューリップ畑は個人所有の土地で普通に住民の方が畑仕事をしていて、写真を撮ろうとしていたら「入っていいよ」なんて声をかけてくれます。
インスタ映えの写真を撮りたい方、人が写りこまないようにタイミングをみなくても、いつでもインスタ映え写真を撮ることができます。
ウォーキングツアー参加
ザイプ(Zijpe)ではチューリップが咲く時期に、様々なイベントが行われているのですが、チューリップを楽しみたい方向けに、チューリップ畑を散策するウォーキングツアー(コース選択:7.5km・8km・15km・20km・30km)があります。
ザイプ(Zijpe)にあるチューリップ畑は全て個人が所有している土地なので本来勝手に入ることはできないのですが、このウォーキングツアーに参加すれば、この畑の中を散策することが許可されます。
参加費用:事前予約 | 大人:€7.50 / 子ども(12歳まで)€3 |
---|---|
参加費用:当日 | 大人:€9 / 子ども(12歳まで)€4 |
開催時間 | 8:00 ~ 17:00 |
出発時間 | 20km・30km:8:00~12:00まで 7.5km・8km・15km:8:00~14:00まで |
公式サイト:wandeldag - Bloeiend Zijpe
出発時間はコースによって決められた時間内であればスタート時間は自由です。
このツアーは事前予約でも、予約せず当日そのまま現地に行っても参加ができます。
また希望のコースを下記から選択できるようになっていて、それぞれのコースで出発場所が違います。
7.5km・20km | Camping de Nollen |
---|---|
8km・15km・30km | Land van Fluwel Avonturenparadijs |
受付後にスタンプカードをもらい、各自でスタートしてチューリップ畑の中を案内板にそって自由に散策・写真撮影などができます。
コースの途中に休憩スペースがあり、そこでスタンプをもらったり、その土地を所有している方がクッキーなどを用意してくださっているので少しの休憩や交流を楽しむことができます。
散策コース終了後は修了証書?をもらってウォーキングツアーの終了となります。
開催時間の8:00~17:00までであれば何時間でも滞在可能です。
ただ、観光客にとっての難点があり、ペッテン到着後の公共交通機関がなく移動手段がありません。
出発地点まで行くために自転車レンタルするならわざわざツアーに参加しなくても…となるかと思います。
アルクマール:チーズ市
アムステルダムから電車で約40分ほどのところにあり、毎週金曜日朝10時からチーズのセリが行われているチーズ市が有名な場所です。
チューリップ畑のあるザイプとアムステルダムの中間に位置する場所ですので、チューリップ畑観光前に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
アルクマールの観光といえば紛れもなく「チーズ市」です。
1365年から始まった伝統的なチーズのセリを見ることができます。
当時は重さを計る天秤が1つしかなく、全てのチーズの取引は「Waagplein:チーズ博物館前」で行われていました。
このチーズ市では、最大30,000kgもしくは2,200個のホールチーズが並べられており、想像を絶する光景を目の当たりにするでしょう。
また、チーズ市の日は数多くの露店が並ぶため、ちょっとしたお祭りのような雰囲気です。
チーズマーケット | |
---|---|
開催 | 4月~9月までの毎週金曜日10:00~13:00 |
ナイトチーズマーケット | 7・8月の毎週火曜日19:00~21:00 |
公式サイト:Cheese Market Alkmaar
オランダで観れる主なチューリップ畑
オランダにはザイプだけでなく、数多くの広大なチューリップ畑があります。
◆ キューケンホフ:Keukenhof
◆ ザーンセ・スカンス:Zaanse Schans
◆ チューリップルート
キューケンホフ:Keukenhof
キューケンホフはいわずと知れたオランダを代表するチューリップ庭園でしょう。
敷地は32ha、東京ドーム約7個分の場所に100種類、450万本ものチューリップが咲いています。
またこのフラワーパーク内にある700万株の球根花の植え付けは、同じ場所で複数回花を咲かせるために工夫して植え付けをする「マルチレベルプランティング」という手法を用いて全て手作業で行われています。
そのため、このキューケンホフ公園が開館中、同じ場所で3度花が咲くようになっています。
2021年開催期間 | 2021年3月20日~5月9日 |
---|---|
2021年チケット販売開始 | 2020年11月末~ |
開園時間 | 8:00~19:30(チケット販売:18:00迄) |
チケット代 | オンライン:大人:€17.50/子ども(4歳~17歳):€9 窓口:大人:€19 |
なお、チケット代にはアムステルダムやスキポール空港からの往復バス代を含むタイプのものもありますので、詳細は公式サイトを確認してください。
公式サイト:Bienvenue au Keukenhof
ザーンセ・スカンス:Zaanse Schans
昔ながらのオランダの風景が見られるザーンセ・スカンスでは、風車とチューリップのコントラストが楽しめます。
ザイプやキューケンホフのような広大なチューリップ畑ではないのですが、17世紀から18世紀にかけてのオランダの暮らしを垣間見ることができる風景が広がっています。
チューリップルート
オランダのフレヴォラント(Flevoland)州にあるノールド・オースト・ポルダー(Noordoosstpolder)では、全長100km、2500エーカー(東京ドーム約217個分)にも及ぶチューリップ街道があります。
ここはレンタカーなど車がないとい行けない場所ですので、なかなか旅人には難易度の高い場所となっています。
開催期間:2021年4月10日~5月2日
公式サイト:Tulpenroute Flevoland
まとめ
総面積が九州ほどの小さな国ですが、とんでもなく大きな美しい自然があり、ザイプに行く道中は広大な土地でのんびり食事をする牛や羊、馬などと出会うことができます。
恐らくチューリップが目的である方であれば、ゴールデンウィークの休暇でオランダをおとすれることと思います。
せっかくゴールデンウィークの人混みを逃れ日本を脱出したのであれば、オランダでは人混みを避け優雅に旅したいと思いませんか?
是非人混みから抜け出し、存分に広大な自然を楽しんでください。
素敵なオランダ旅行になることを願っています♡