例えば台風や地震、何かしらの天変地異があったときに、公共交通機関が麻痺して運休になることは世界中で日々起こっています。
私たちの住むここ日本も、台風に地震と自然災害の多い国ですから、災害後の交通機関が運休になることは多々起こり得ることで、そのような場合の予定変更への免疫はそれなりにあるわけです。
あと、日本では少ないけれど、ヨーロッパではよく聞くストライキ。
ただ、ストライキの場合、前日などに何かしらのお知らせがありますよね。
このお話は…「さすがヨーロッパ」と言うべきなのか…
ロンドンからブリュッセルに行く夜行バスをFLiX BUSで予約した結果、理由も分からぬままバスが来ませんでした。
要注意「FLiX BUS」:予約した夜行バスが来なくて危く野宿コース
そもそも日本でも夜行バスって苦手で乗らないんです。
案外どこでも寝れるほうなので、寝れないからという理由ではないのですが、夜はベッドで寝たいのです。
そんな苦手な夜行バスを何故わざわざ日本から遠くはなれた異国の地で、しかも公共交通機関のしっかりした世界的大都市で選択したのか。
ロンドンで仲良くなったフランス人女性が、たまたま同日にドイツまでバスで移動する予定で、しかもそのバス、私の次の目的地であるベルギーのブリュッセルを経由するバスだったんです。
ロンドンには急遽訪れたことで、ロンドンからブリュッセルまでのユーロスター(新幹線みたいなの)の直前予約は2万円ほどかかる予定でした。
せっかくできた友達からのお誘いもあり、夜行バスで移動するとバス代約3,000円ほどで、ロンドンでの一泊分の宿泊費も浮くわけです。
トラブルさえなければ、FLiX BUSは本当に格安で、ヨーロッパ周遊には欠かせない移動手段なんです。
ロンドンに滞在したことがある方であればご存知かと思いますが、ロンドン中心部のホテル代って結構高くて、私が宿泊していたホテルが日本のビジネスホテルくらいのお部屋だったんですが、1泊2万円弱かかりました。
夜行バスに乗ることで、ホテル代1泊分とユーロスター代合わせて約4万円ほど浮くわけです。
夜行バスを選ばない理由、ありますか?
友達がいて、お金も浮く。
断然バスを選択しませんか?(笑)
最後まで納得できなかった「FLiXBUS」の運休騒動
バスの出発は21時。
21時以降に出発するバスは次々と乗客を乗せたり出発の準備をしているのに、出発時刻の21時直前になっても私たちが乗るバスが来ていない状態でした。
この時点で、呑気な日本人はまさかバスが来ないなんて事が起こるとは思いもしないわけです。
ただ、一緒にいたフランス人の友達は、そわそわし始めます。
バスが来ないんじゃないか?と言い始める始末。
バスが来ないなら、もう少し早くアナウンスあるでしょ。
ストの情報もないし、能天気な日本人はバスが来ることを信じて疑うわけもなく。
お天気は快晴で、天変地異は何も起こっていない。
この状態でバスが来ないかもしれないという思考なんて、備わっていません。
21時にバス会社の人からアナウンスがありました。
ケルン行きのバスが遅れているので、そのまま待っていてください。
ほらね!来るって言ってるでしょ!!
至って能天気な日本人約1名。
21時過ぎ、再度アナウンス。
今日のケルン行きのバスは来ません。
Whaaaaaaatt!?
やっとオタオタし始める日本人と、「やっぱりね」の空気感満載のヨーロピアン多数と同時に怒号が飛び始めるバスターミナル。
ブリュッセル行きの人は次発のアムステルダム行きのバスに乗ればブリュッセルで下車できますが、ケルン行きの人は…I have no idea…
私はブリュッセル行きだから、アムステルダム行きに乗れば予定変更することなくいける状態ではあるのですが、バス会社の人がハッキリと「I have no idea」と言い放ったことに唖然としました。
予約センターからメールが届いていると思うから、そのメールを確認してください。
それ以外は私に聞かれても分かりません。
見事なまでの潔さ。
本当にこれだけ。
そりゃキレますよね(笑)
このまま友達を置いて私だけアムステルダム行きに乗るのは申し訳ないな…と思いつつアムステルダム行きのバスに乗車する手続をするために、持っているチケットのQRコードをバス会社の人に渡しました。
あなたの名前ないですねぇ・・・
は?
結論、私たちが乗車しようとしていたバスを予約した人は、誰一人として予約がシステムに反映されていなかったのです。
だから、ケルン行きのバスも運休となっていたわけです。
ブリュッセル行きの人は私以外にも数人いたのですが、結果的に誰一人としてアムステルダム行きに乗れませんでした。
これね、逆に予約チケットを持っていなくて、当日券を買っていれば普通に乗れたやつです。
これ以上抗議するほどの語学力があるわけでもないし、早く寝たいと諦めモードに入った私を横目に友達は明らかに戦闘モード。
あぁ、これが日本人が大人しいと思われる部分なんだろうな…と改めて思ったんですが、私以外全員戦闘モードでした。
皆が抗議をしている後ろで小さくなって、ホテルの確保とユーロスターの予約を済ませました(笑)
とりあえず友達も一緒に泊まれるように2名で。
明日朝一のユーロスター乗るけど、あなたはどうする?
なんて戦闘中の人に聞くもんじゃないですよね。
なんで?今日出発するバスにお金払ってるんだよ!
そだね
私はそろそろ退散します…と早々に切り上げてホテルに向かいました。
こういうときの連帯感ってすごくて、小さなアジア人、まるで子どもを見送る親戚のおじちゃんおばちゃんたちかのように、皆から「気をつけるのよ!」と見送っていただきました。
ホテル到着後、友達から連絡がありました。
23時出発でバスの手配をしてくれたとのことで、とってもご機嫌な連絡だったのですが、既に私は急速モードでもう夜行バスに乗るほどの気力もなく、私は乗らないと伝えて最後の挨拶をしてすぐに眠りにつきました。
ヨーロッパって、デモとかストとか頻繁にやってるけど、こうやって皆が1つずつ状況を変えてるんだな…なんて感心さえしてました。
翌朝4時に起床したら、友達から怒りたっぷりのメッセージと数回にわたる着信がありました。
結局明朝じゃないとバスが手配できない…となったようです。
不毛な争いだったのね…
私は当初の予定より2時間遅れでブリュッセルに到着し、同じ頃友達はやっとバスでロンドンを出発したとのことでした。
何かしらの事情でバスが運行停止になりました。
ここまでなら事情によっては納得できるし、せざるを得ないと思うんですね。
安いチケットだから、ホテル代を出してください。なんて言おうとも思いません。
だけどね…と思うわけです。
さっきまで遅れていると言っていたバスが、突然来ません。
何故来ないのかは、私は分からないので私には聞かないでください。
運休理由に付いてはメールを確認してください。
言いたいことは山ほどあるのですが、これも旅の1つ…なんですよね。
経験者からアドバイス
✔ 予約はスマホでメール確認できるアドレスを使用する
✔ 移動手段はいくつかの選択肢を持つ
✔ 無駄な抗議はせず別の方法を考える
予約する際に使用するメールアドレスは、必ずスマホで確認できるアドレスを使用しましょう。
旅先でPCを持ち歩いている方であれば、どこでもメールの確認ができますが、多くの日本人が取る短期間の旅行でPCを持ち歩く方はそうそういないかと思います。
何かあっても、メールを確認していないあなたの責任となります。
旅人からの話で、理由が分からず電車が来なかった、バスが来なかった…なんて聞くことは結構あるんです。
でもそれは、どれも発展途上国やカオスな国で起こり得る旅のハプニング的な間隔でいたのですが、世界を代表する発展した大都市でも起こり得ることです。
移動手段の選択肢をいくつか持っておくことで、何かあったときでも冷静に対応できます。
何かあったときにその他の方法を探すとなると、大きなストレス、予定変更となるので必ずいくつか選択肢を持っておきましょう。
何か起こっても、基本的にこれ以上良い方向には向かわないと早めに判断するほうが賢いです。
旅先で、まして海外となると目に見えない心労があります。
そこへ無駄な抗議に労力を使ったところで、日本以上に対応は期待できるものではありません。
それなら別の手段を早めに考え行動すべきです。
最後に…
乗れなかった乗客の抗議の勢いにも驚きましたが、今回一番驚いたのは何と言ってもバス会社の対応でした。
もちろん当事者の私は腹も立ったんですが、ただ、日本もこの程度のスタンスで仕事をすれば思い悩んで自殺する人も減るのかな…なんて思ったりもしました。
日本でもたまに企業の不祥事の説明会のような場所で抗議する方の映像が流れたりしますが、そんなの比じゃないくらいヒートアップしていました。
その姿をみていたら、何だかおかしくもなり怒りも消えました。
海外で移動する際には、こういうことが起こり得ると頭の隅に置いて行動していただければと思います♡