フランス西海岸のサン・マロ湾(Saint-Malo)に浮かぶ「モン・サン=ミシェル(Mont Saint-Michel)」は、1979年に「モン・サン=ミシェルとその湾(Mont Saint-Michel and its Bay)」として世界遺産に登録されたフランスを代表する観光地です。
「西洋の驚異」や「海上のピラミッド」と称される孤高の寺院モン・サン=ミシェルは、16世紀に完成したフランスの中でも最も有名な巡礼地です。
1979年に世界遺産に登録されたこの場所は、幻想的な美しさと数奇な歴史から西洋の驚異と呼ばれ、世界中の旅行者の間で訪れてみたい世界遺産などのランキングに常にランクインする人気の観光地となっています。
また、モン・サン=ミシェルは「フランスのサンティアゴ・コンポステーラの巡礼路(Routes of Santiago de Compostela in France)」という世界遺産の一部として、スペインの世界遺産「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路(Routes of Santiago de Compostela: Camino Francés and Routes of Northern Spain)」とは別件で登録されています。
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- 最後に…
パリから「モン・サン=ミシェル」への行き方全7通り徹底ガイド
モン・サン=ミシェルは、パリから約350㎞離れていますが、年間250万人が訪れるこの場所へは、バス・鉄道・ツアーなど様々なアクセス方法があります。
私はフランスの高速鉄道とバスを乗り継いで最短の方法で行ったので、こちらのアクセス方法と、その他私が訪れる前に調べたモン・サン=ミシェルまでの全7通りのアクセス方法を紹介しますので参考にしていただければ嬉しいです。
◆ 直通バス 【現在直通バスは運行してないようです。2023年1月】
◆ TGV(高速鉄道)+バス:4通り
◆ TGV(高速鉄道)+TER(普通列車)+バス
◆ 現地オプショナルツアー
パリから「モン・サン=ミシェル」への行き方:直通バス
◆ATTENTION◆
現在パリからモン・サン=ミシェルまでの直通バスは運行してないようです。【2023年1月】
パリからモン・サン=ミシェルまでは、FLiXBUSというヨーロッパ全土を網羅してるバスが直通で出ています。
パリの「Bus Station De Bercy」というバスターミナルから出発(土日は別のバス停も軽油)していて、モン・サン=ミシェルまで約5時間半で到着します。
バスの空き状況や予約のタイミングで価格の変動がありますが、モン・サン=ミシェルまで最安値で行け、乗り換えもなく一番楽なアクセス方法になります。
Bus Station De Bercy:パリ → 🚌 5:30 🚌 → モン・サン=ミシェル
所要時間 | 約5時間半 |
---|---|
バス料金 | 片道:€19.99~40.99 |
私は一泊する予定だったのでバスにしようかと思ったんですが、残念ながら私が行く日はバスが運行していませんでした。
時間に余裕のある方、バスに5時間乗車することが苦にならない方にはお薦めの方法です。
パリから「モン・サン=ミシェル」への行き方:TGV(高速鉄道)+バス
TGV(高速鉄道)とバスを乗り継いでいく方法は、乗り換え場所などの違いから4通りのアクセス方法があります。
◆ 【オススメ】TGV(高速鉄道)+バス(レンヌ:Rennes乗換)
◆ CDG空港発TGV(高速鉄道)+バス(レンヌ:Rennes乗換)
◆ TGV(高速鉄道)+バス(ドル=ド=ブルターニュ:Dol-de-Bretagne乗換)【運行無2023年1月】
◆ TGV(高速鉄道)+バス(サン・マロ:Saint-Malo乗換)
【オススメ】TGV(高速鉄道)+バス(レンヌ:Rennes乗換)
モンパルナス駅:Gare Montparnasse(パリ) → 🚄 2:00 🚄 → レンヌ駅 → 🚌 1:00 🚌 → モン・サン=ミシェル
所要時間 | 約3時間 |
---|---|
TGV料金 | 片道:€20~90 |
バス料金 | 片道:€15 / 往復:€30 |
この方法が一番お薦めで、まず時間の自由が利く&モン・サン=ミシェルまでの移動時間が最短となっています。
余裕をもって予約をすれば費用をかなり安く抑えることも可能です。
これは、ヨーロッパ全体的に言える事なのですが、交通機関の早割が日本では考えられないほどの割引率になっています。
ヨーロッパ周遊は、モン・サン=ミシェルに限らず早め早めの計画を強くお薦めします。
私がモン・サン=ミシェルに訪れた際のTGV+バス往復は3か月前の予約で最安値のTGV片道€20、バス片道€15の往復で€70で行けました。
レンヌからモン・サン=ミシェルまでのバスは予約制ではなく、レンヌ到着後バスターミナル(北口)前にあるチケットセンター「Espace Korrigo(チケット売場)/ Gare routière(バスターミナル)」で購入します。
このバスチケットは往復割引などがないので、片道・往復どちらを選択しても問題ありません。
帰りのチケットを購入しなかった場合は、バスの運転手さんに€15を乗車時に支払って乗車するようになります。
◆ATTENTION◆
往復割引があります。【2023年1月】
片道:€15/往復:€25
レンヌからのバスは、TGVの到着時刻に連動していて、TGV到着後20分後の出発となっているので、そんなに慌てなくても大丈夫です。
とても小さな駅のため、駅構内を把握している状態での移動であれば2~3分程度でバスターミナルに行けます。
往路 | |
---|---|
レンヌ発 | モン・サン=ミシェル着 |
08:45 | 09:55 |
12:45 | 13:55 |
復路 | |
---|---|
モン・サン=ミシェル発 | レンヌ着 |
10:00 | 11:10 |
17:00 | 18:10 |
バスの運行時間は数ヵ月おきに変更があるので、計画時に必ず確認するようにしてください。
大幅に遅延があった場合は、次のバスに乗車するようになります。
なお、レンヌ⇔モン・サン=ミシェル間のバスは、1日2往復しかないので注意してください。
CDG空港発TGV(高速鉄道)+バス(レンヌ:Rennes乗換)
AEROPORT CDG2 TGV ROISSY(パリ) → 🚄 2:30 🚄 → レンヌ駅 → 🚌 1:00 🚌 → モン・サン=ミシェル
所要時間 | 約3時間 |
---|---|
TGV料金 | 片道:€20~90 |
バス料金 | 片道:€15 / 往復:€30 |
パリ到着後、空港からそのまま向かいたい方向けのアクセス方法になります。
空港からレンヌまでTGVで直接向かい、あとはモンパルナス駅から向かう方法と同じになります。
TGV(高速鉄道)+バス(ドル=ド=ブルターニュ:Dol-de-Bretagne乗換)
◆ATTENTION◆
現在ドル=ド=ブルターニュからモン・サン=ミシェル行きのバスは運行してないようです。【2023年1月】
モンパルナス駅(パリ) → 🚄 2:30 🚄 → ドル=ド=ブルターニュ駅 → 🚌 0:30 🚌 → モン・サン=ミシェル
所要時間 | 約3時間半 |
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TGV料金 | 片道:€30~70 |
バス料金 | 片道:€6 / 往復:€12 |
ディナン(Dinan)などブルターニュ地方を観光しつつ、モン・サン=ミシェルに向かいたい方向けのアクセス方法です。
なお、ドル=ド=ブルターニュ駅(Gare de Dol de Bretagne)は、とても小さな駅でバスへの乗り換えも迷うことなくスムーズにできます。
ドル=ド=ブルターニュ駅の改札を出て右側にロータリーがあり、そこにモン・サン=ミシェル行きのバス停があります。
往路 | ||
---|---|---|
便名 | ドル=ド=ブルターニュ発 | モン・サン=ミシェル着 |
153 | 9:50 | 10:20 |
155 | 11:15 | 11:45 |
157 | 12:25 | 12:55 |
復路 | ||
---|---|---|
便名 | モン・サン=ミシェル発 | ドル=ド=ブルターニュ着 |
152 | 16:10 | 16:45 |
バスの運行時間は数ヵ月おきに変更があるので、計画時に必ず確認するようにしてください。
時間があれば、駅から徒歩10分程の場所に美しい木骨造りの街並みがある旧市街があるので、そちらを散策してみてください。
TGV(高速鉄道)+バス(サン・マロ:Saint-Malo乗換)
モンパルナス駅(パリ) → 🚄 2:45 🚄 → サン・マロ駅 → 🚌 1:15 🚌 → モン・サン=ミシェル
所要時間 | 約4時間半 |
---|---|
TGV料金 | 片道:€30~70 |
KeoLISバス料金 | 片道:€15 / 往復:€25 |
FlixBUSバス料金 | バス料金:片道€5~ |
モン・サン=ミシェル行きのバスは、KeoLIS運行1便(9:20発)、FlixBUS運行1便(16:10発)の1日2便しかなく、ブルターニュ地方の人気観光地でもある、サン・マロ(Saint-Malo)を観光後、モン・サン=ミシェルに向かう方向けのアクセス方法です。
なお、FlixBUSは満席の可能性が高く、事前予約しておいたほうが良さそうです。
◆ATTENTION◆
現在サン・マロからモン・サン=ミシェル行きのFlixBUSは運行してないようで、サン・マロからモン・サン=ミシェルまでのバスは1日1往復のみとなっています。【2023年1月】
サン・マロは、英仏海峡を臨む港町で、高い城壁に囲まれた旧市街には古い石造りの建物があり、濃厚な歴史を感じることができる町です。
TGV(高速鉄道)+TER(普通列車)+バス(レンヌ経由ポントルソン:Pontorson乗換)
モンパルナス駅(パリ) → 🚄 2:00 → レンヌ駅 → 0:45 🚄 → ポントルソン → 🚌 0:20 🚌 →モン・サン=ミシェル
所要時間 | 約3時間半 |
---|---|
TGV料金 | 片道:€30~45 |
バス料金 | 片道:€2.90 |
フランスの田舎町を楽しみたい方向けのアクセス方法となります。
レンヌからTER(普通列車)に乗り換えてポントルソン(Pontorson)まで向かい、モン・サン=ミシェルから一番近い町ポントルソンでバスへの乗り換えになります。
ポントルソン駅を出て右側にすぐバス停があり、モン・サン=ミシェルまで約20分程度(約10㎞)で到着します。
バスの本数がほかの方法に比べて多いので、レンヌからの連結がうまくいかなかった場合に使える手段になります。
モンパルナス駅でのTGV乗車方法
モンパルナス駅は、パリの主要ターミナル駅の一つで結構大きめの駅ですが、TGV乗り場は地上2階の「Hall1」になります。
駅構内に入れば大きく「Hall〇」と看板があるので迷うことはありません。
恐らく多くの方が早めに向かうと思うのですが、駅構内で電光掲示板に乗車ホームが表示されるのは、出発30分前とギリギリです。
ただ、だからといってギリギリに行くと、ホームは24番まであることに加え、TGVの車両数もかなり多く、乗車車両まで15分程歩かないといけないこともあるので、必ず時間には余裕を持っていき、ホームの様子を下見することをお薦めします。
日帰りか一泊かで出発時間も変わってくるかと思うのですが、モンパルナス駅周辺のホテルはお薦めです。
パリの中でも比較的治安のいい場所で、パリ中心地に比べて宿泊費も多少安くて満足できるホテルがあります。
私はモン・サン=ミシェルに行く前々日にモンパルナス駅から一駅離れたパストゥール(Pasteur)駅の傍にある「アヴィア・サフィール・モンパルナス(Hôtel Avia Saphir Montparnasse)」というホテルに移動しました。
アヴィア・サフィール・モンパルナス(Hôtel Avia Saphir Montparnasse) |
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住所:181 Rue de Vaugirard, 75015 Paris, フランス 公式サイト:https://www.saphirhotel.fr/en/ |
モンパルナス駅から一駅離れているとはいっても、徒歩10程度と歩いていける距離ですし、恐らく誰もが訪れるであろうほとんどの観光地に乗り換えなしで行けるのでお薦めです。
こじんまりとしたホテルですが、近くに飲食店や商店もあって特に困ることはありませんでした。
現地オプショナルツアー
時間がない方、個人手配は不安な方向けのアクセス方法です。
モン・サン=ミシェルは人気の観光地なので、たくさんのプランが用意されていて、日本語対応ツアーもかなりの数があります。
ツアーのメリットとしては、いくつかの観光地を周遊するものもあって、短時間で色々な場所に行きたいという方にとってはお薦めの方法です。
ただ、個人的な意見としては、ツアーは基本的に割高なうえに時間に縛りがあるので、モン・サン=ミシェルに関しては全くお薦めしません。
どのツアーも日帰りのツアーであれば、2~3時間程度の滞在時間となり、あまりにも短時間の滞在となります。
もちろん日本語ガイドがついたツアーだと安心ですし、いろいろな情報を聞くことも、効率よく周ることもできるので、メリットがないとは思わないのですが…
目安料金 | パリから日帰り€120~ |
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20,000円以内で1泊2日と出ているツアーは、ホテルは別途手配が必要となる場合がほとんどなので、必ずホテル代込みか確認するようにしましょう。
モン・サン=ミシェル島内へは無料シャトルバス
モン・サン=ミシェルへの橋は、観光バスも含め一般車両は通行禁止となっており、モン・サン=ミシェル対岸から無料シャトルバスが出ています。
日中は常に満員状態で、かなり待ち時間がかかることもあるうえ、箱詰め状態でモン・サン=ミシェルまで行くので、個人的には2㎞程度の距離なので徒歩をお薦めします。
モン・サン=ミシェルから対岸へ行くシャトルの方が混雑していて、待ち時間がかなりかかる場合があるので、ツアーで行かれる場合は時間配分に気を付けてください。
なお、シャトルの混雑は嫌だけど、歩いて2㎞はキツイ…という方は、有料ですが島内と対岸を送迎している馬車もあるので、そちらも検討してみてください。
最後に…
モン・サン=ミシェルは、朝昼晩全ての時間帯で全く違った姿を魅せてくれます。
そしてのその光景は、間違いなく一生忘れられない光景となるということを断言します。
休暇の少ない日本人ですが、いくら時間がないといえども、必ず一泊することを強くお薦めします。
また、TGVの予約は早めに!と促したうえでこういうことをお伝えするのもおかしな話ですが、絶景を観るためにはお天気がかなり重要となります。
TGVの予約開始が3カ月前ですが、3カ月先のお天気なんてわからないよ!という感じだと思うのですが、その辺の判断は慎重にしてください。
素晴らしい絶景に出会えることを願っています♡