フランス西海岸のサン・マロ湾(Golfe de Saint‐Malo)に浮かぶ「モン・サン=ミシェル(Mont Saint-Michel)」は、1979年に世界遺産に登録されたフランスを代表する観光地です。
関連記事:Mont-Saint-Michel and its Bay - UNESCO World Heritage Centre
フランス旅行を計画するほとんどの方が、目的地として計画の中に入れるのではないでしょうか。
モン・サン=ミシェルは、パリから約350km離れていますが、年間250万人が訪れるこの場所へは、バス・鉄道・ツアーなど様々なアクセス方法があります。
私はフランスの高速鉄道とバスを乗り継いで最短の方法で行ったので、こちらのアクセス方法と、その他私が訪れる前に調べたモン・サン=ミシェルまでの全7通りのアクセス方法を徹底ガイドします。
ぜひ、参考にしていただけると嬉しいです。
モン・サン=ミシェル:Mont Saint-Michel
「西洋の驚異」や「海上のピラミッド」と称される孤高の寺院モン・サン=ミシェルは16世紀に完成したフランスの中でも最も有名な巡礼地です。
1979年に「モン・サン=ミシェルとその湾(Mont-Saint-Michel and its Bay)」という名称で世界遺産に登録されたこの場所は、幻想的な美しさと数奇な歴史から西洋の驚異と呼ばれ、世界中の旅行者の間で訪れてみたい世界遺産などのランキングに常に名を連ねる人気の観光地となっています。
また、モン・サン=ミシェルは「フランスのサンティアゴ・コンポステーラの巡礼路(Routes of Santiago de Compostela in France)」という世界遺産の一部として、スペインの世界遺産「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路(Routes of Santiago de Compostela: Camino Francés and Routes of Northern Spain)」とは別件で登録されています。
関連記事:カミーノ(Camino)!サンティアゴ巡礼:サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指して【スペイン】
パリから「モン・サン=ミシェル」への行き方
モン・サン=ミシェルに行くには、バスや鉄道、ツアーなど様々な行き方が用意されているので、最適な方法を選択しましょう。
◆ 直通バス
◆ TGV(高速鉄道)+バス:4通り
◆ TGV(高速鉄道)+TER(普通列車)+バス
◆ 現地オプショナルツアー
モン・サン=ミシェル行き方:直通バス
パリからモン・サン=ミシェルまでは、FLiXBUSというヨーロッパ全土を網羅しているバスが直通で出ています。
パリの「Bus Station De Bercy」というバスターミナルから出発(土日は別のバス停も経由)していて、モン・サン=ミシェルまで約5時間半で到着します。
バスの空き状況や予約のタイミングで価格の変動がありますが、モン・サン=ミシェルまで最安値で行け、乗換もなく一番楽なアクセス方法になります。
Bus Station De Bercy:パリ→🚌 5:30 🚌→モン・サン=ミシェル
所要時間 | 約5時間半 |
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バス料金 | 片道:€19.99~40.99 |
私は一泊する予定だったので、バスにしようかと思ったんですが、残念ながら私が行く日はバスが運行していませんでした。
時間に余裕のある方、バスに5時間乗車することが苦にならない方にはお勧めの方法です。
関連記事:ヨーロッパの格安バス「FLiXBUS(フリックスバス)」:予約から乗車まで徹底ガイド
モン・サン=ミシェル行き方:TGV(高速鉄道)+バス:4通り
TGV(高速鉄道)とバスを乗り継いで行く方法は、乗換場所などの違いから4通りのアクセス方法があります。
【オススメ】TGV(高速鉄道)+バス(レンヌ:Rennes乗換)
モンパルナス駅:Gare Montparnasse(パリ)→🚄 2:00 🚄→レンヌ駅→🚌 1:00 🚌→モン・サン=ミシェル
所要時間 | 約3時間 |
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TGV料金 | 片道:€20~90 |
バス料金 | 片道:€15 / 往復:€30 |
この方法が一番オススメで、まず時間の自由が利く&モン・サン=ミシェルまでの移動時間が最短です。
また、余裕を持って予約をすれば費用をかなり安く抑えることも可能です。
これは、ヨーロッパ全体的にいえることですが、交通機関の早割が日本では考えられないほどの割引率になっています。
ヨーロッパ周遊は、モン・サン=ミシェルに限らず早め早めの計画を強くオススメします。
関連記事:フランス国鉄:TGV(高速鉄道)の予約方法【ヨーロッパ】
私がモン・サン=ミシェルに訪れた際のTGV+バス往復は3ヶ月前の予約で最安値のTGV片道€20、バス片道€15の往復で€70で行けました。
レンヌからモン・サン=ミシェルまでのバスは予約制ではなく、レンヌ到着後バスターミナル(北口)前にあるチケットセンター「駅構内看板:Espace Korrigo(チケット売場)/ Gare routière(バスターミナル)」で購入します。
このバスチケットは往復割引などがないので、片道・往復どちらを選択しても問題ありません。
帰りのチケットを購入しなかった場合は、バスの運転手さんに€15を乗車時に支払って乗車するようになります。
レンヌからのバスは、TGVの到着時刻に連動していて、TGV到着後20分後の出発となっているので、そんなに慌てなくても大丈夫です。
そんなに大きな駅ではないため、駅構内を把握している状態での移動であれば、2~3分程度でバスターミナルに行けます。
往路 | ||
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便名 | レンヌ発 | モン・サン=ミシェル着 |
101(月~土・祝日) | 09:50 | 11:00 |
103(日曜日) | 10:15 | 11:25 |
105 | 11:45 | 12:55 |
107(月~土・祝日) | 12:45 | 13:55 |
109(日曜日) | 14:30 | 15:40 |
111 | 16:45 | 17:55 |
復路 | ||
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便名 | モン・サン=ミシェル発 | レンヌ着 |
102 | 10:05 | 11:15 |
104(月~土・祝日) | 11:20 | 12:30 |
106(日曜日) | 13:05 | 14:15 |
108 | 14:05 | 15:15 |
110 | 18:05 | 19:15 |
※バスの運行時間は数ヶ月おきに変更があるので、計画時に必ず確認するようにしましょう。
公式サイト:Aller au Mont-Saint-Michel
大幅に遅延があった場合は、次のバスに乗車するようになります。
なお、レンヌ⇔モン・サン=ミシェル間のバスは、1日4往復しかないので注意してください。
CDG空港発TGV(高速鉄道)+バス(レンヌ:Rennes乗換)
AEROPORT CDG2 TGV ROISSY(パリ)→🚄 2:30 🚄→レンヌ駅→🚌 1:00 🚌→モン・サン=ミシェル
所要時間 | 約3時間 |
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TGV料金 | 片道:€20~90 |
バス料金 | 片道:€15 / 往復:€30 |
パリ到着後、空港からそのまま向かいたい方向けのアクセス方法になります。
空港からレンヌまでTGVで直接向かい、あとはモンパルナス駅から向かう方法と同じになります。
関連記事:パリ=シャルル・ド・ゴール空港からパリ市内への行き方【フランス】
TGV(高速鉄道)+バス(ドル=ド=ブルターニュ:Dol-de-Bretagne乗換)
モンパルナス駅(パリ)→🚄 2:30 🚄→ドル=ド=ブルターニュ駅→🚌 0:30 🚌→モン・サン=ミシェル
所要時間 | 約3時間半 |
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TGV料金 | 片道:€30~70 |
バス料金 | 片道:€6 / 往復:€12 |
ディナン(Dinan)観光などのブルターニュ地方を観光しつつ、モン・サン=ミシェルに向かいたい方向けのアクセス方法です。
また、ドル=ド=ブルターニュ駅(Dol de Bretagne)は、とても小さな駅でバスへの乗り換えも迷うことなくスムーズにできます。
ドル=ド=ブルターニュ駅の改札を出て右側にロータリーがあり、そこにモン・サン=ミシェル行きのバス停があります。
往路 | ||
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便名 | ドル=ド=ブルターニュ発 | モン・サン=ミシェル着 |
153 | 9:50 | 10:20 |
155 | 11:15 | 11:45 |
157 | 12:25 | 12:55 |
復路 | ||
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便名 | モン・サン=ミシェル発 | ドル=ド=ブルターニュ着 |
152 | 16:10 | 16:45 |
※バスの運行時間は数ヶ月おきに変更がありますので、計画時に必ず確認するようにしましょう。
公式サイト:Aller au Mont-Saint-Michel
時間があれば、駅から徒歩10分程度の場所に美しい木骨造りの町並みがある旧市街があるので、そちらを散策してみてください。
TGV(高速鉄道)+バス(サン・マロ:Saint-Malo乗換)
モンパルナス駅(パリ)→🚄 2:45 🚄→サン・マロ駅→🚌 1:15 🚌→モン・サン=ミシェル
所要時間 | 約4時間半 |
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TGV料金 | 片道:€30~70 |
KeoLISバス料金 | 片道:€15 / 往復:€25 |
FlixBUSバス料金 | バス料金:片道€5~ |
公式サイト:Saint-Malo
モン・サン=ミシェル行きのバスは、KeoLIS運行1便(9:20発)、FlixBUS運行1便(16:10発)の1日2便しかなく、ブルターニュ地方の人気観光地でもある、サン・マロ(Saint-Malo)を観光後、モン・サン=ミシェルに向かう方向けのアクセス方法です。
なお、FlixBUSは満席の可能性が高く、事前予約しておいたほうが良さそうです。
関連記事:ヨーロッパの格安バス「FLiXBUS(フリックスバス)」:予約から乗車まで徹底ガイド
サン・マロは、英仏海峡を臨む港町で、高い城壁に囲まれた旧市街には古い石造りの建物があり、濃厚な歴史を感じることのできる町です。
TGV(高速鉄道)+TER(普通列車)+バス(レンヌ経由ポントルソン:Pontorson乗換)
モンパルナス駅(パリ)→🚄 2:00 →レンヌ駅→0:45 🚄→ポントルソン→🚌 0:20 🚌→モン・サン=ミシェル
所要時間 | 約3時間半 |
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TGV料金 | 片道:€30~45 |
バス料金 | 片道:€2.90 |
フランスの田舎町を楽しみたい方向けのアクセス方法となります。
レンヌからTER(普通列車)に乗り換えてポントルソン(Pontorson)まで向かい、モン・サン=ミシェルから一番近い町ポントルソンでバスへの乗換になります。
ポントルソン駅を出て右側にすぐバス停があり、モン・サン=ミシェルまで20分程度(約10km)で到着します。
バスの本数が他の方法に比べて多いので、レンヌからの連結が上手くいかなかった場合に使える手段になります。
モンパルナス駅でのTGV乗車方法
モンパルナス駅は、パリの主要ターミナル駅の一つで結構大きめの駅ですが、TGV乗り場は地上2階の「Hall1」になります。
駅構内に入れば、大きく「Hall〇」と看板があるので迷うことはありません。
恐らく多くの方が早めに向かうと思うのですが、駅構内で電光掲示板に乗車ホームが表示されるのは、出発30分前とギリギリです。
ただ、だからといってギリギリに行くと、ホームは24番まであることに加え、TGVの車両数もかなり多く、乗車車両まで15分ほど歩かないといけない事もあるので、必ず時間には余裕を持って行き、ホームの様子を下見することをお勧めします。
TGV利用の方にパリでのオススメ前泊ホテル
日帰りか一泊かで出発時間も変わってくるかと思うのですが、モンパルナス駅周辺のホテルはお勧めです。
パリの中でも比較的治安のいい場所で、パリ中心地に比べて宿泊費も多少安くて満足できるホテルがあります。
私はモン・サン=ミシェルに行く前々日にモンパルナス駅から1駅はなれたパストゥール(Pasteur)駅の傍にある「アヴィア・サフィール・モンパルナス(Hôtel Avia Saphir Montparnasse)」というホテルに移動しました。
アヴィア・サフィール・モンパルナス(Hôtel Avia Saphir Montparnasse) |
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住所:181 Rue de Vaugirard, 75015 Paris, フランス 公式サイト:https://www.saphirhotel.fr/en/ |
モンパルナス駅から1駅離れているとはいっても徒歩10分程度と歩いて行ける距離ですし、恐らく誰もが訪れるであろうほとんどの観光地に乗換なしで行けるのでお勧めです。
こじんまりとしたホテルですが、近くに飲食店や商店もあって、特に困ることはありませんでした。
現地オプショナルツアー
時間がない方、個人手配は不安な方向けのアクセス方法です。
モン・サン=ミシェルは人気の観光地なので、たくさんのプランが組まれていて、日本語対応ツアーもかなりの数が用意されています。
ツアーのメリットとしては、いくつかの観光地を周るものもあって、短時間で色々な場所に行きたいという方にとってはお勧めの方法です。
ただ、個人的な意見としては、ツアーは基本的に割高な上に時間に縛りがあるので、モン・サン=ミシェルに関しては全くお勧めしません。
大体どのツアーも日帰りのツアーであれば、2~3時間程度の滞在時間となり、あまりにも短時間の滞在となります。
もちろん日本語ガイドが付いたツアーだと安心ですし、色々な情報を聞くことも、効率よく周ることのできるので、メリットが無いとは思わないのですが…
目安料金 | パリから日帰り€120~ |
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VELTRAツアーサイト:モンサンミッシェル ツアー | フランス
¥20,000以内で1泊2日と出ているツアーは、ホテルは個人手配の場合がほとんどなので、必ずホテル代込みか確認するようにしましょう。
モン・サン=ミシェル島内へは無料シャトルバス
モン・サン=ミシェルへの橋は、観光バスも含め一般車両は通行禁止となっており、モン・サン=ミシェル対岸から無料シャトルバスが出ています。
日中は常に満席状態でかなり待ち時間がかかることもあるうえ、箱詰め状態でモン・サン=ミシェルまで行くので、個人的には2km程度の距離なので徒歩をお勧めします。
モン・サン=ミシェルから対岸へ行くシャトルの方が混雑していて、待ち時間がかなりかかる場合があるので、ツアーで行かれる場合は時間配分に気をつけてください。
なお、シャトルの混雑はいやだけど、歩いて2kmはキツイ…という方は、有料ですが島内と対岸を送迎している馬車もあるので、そちらも検討してみてください。
まとめ
モン・サン=ミシェルは、朝昼晩全ての時間帯で全く違った姿を魅せてくれます。
そしてその光景は、間違いなく一生忘れられない光景となるということを断言します。
休暇の少ない日本人ですが、いくら時間が無いといえども、必ず一泊することをお勧めします。
また、TGVの予約は早めに!と促した上でこういうことをお伝えするのもおかしな話ですが、絶景を観るためにはお天気がかなり重要となります。
TGVの予約開始が3ヶ月前ですが、3ヶ月先のお天気なんて分からないよ!という感じだと思うのですが、その辺の判断は慎重にしてください。
関連記事:モン・サン=ミシェル観光の全て:徹底ガイド【フランス】
素晴らしい絶景に出会えることを願っています♡