COVID-19の流行によって、世界中で普及したリモートワークが進化して、働き方、居住地などの新たな選択肢が生まれつつあります。
脱オフィス化が進むIT業界では、日本企業も例外ではなく、年明けからオフィスを半減させる企業も出てきています。
リモートワークでも働ける人が増えたいま、東京圏在住者の49.8%が地方暮らしに関心を持っているそうです。
これも、リモートワークが当たり前の時代になれば、全く非現実的なことではありません。
もちろんリモートワークであれば、日本国内に留まらず世界中に居住地を求めることも可能です。
この記事では、私が海外移住について調べていくなかで、まずは海外移住前にやるべき準備を備忘録を兼ねて全て記録しています。
ぜひ海外移住を考えている方は参考にしていただければと思います。
海外移住:全ての人に必要な準備
リモートワークだし、一度は日本を出てもいいかな…と海外に目を向けても、海外に移住したことがない人にとって、何から準備をして良いか分からないものです。
やることは色々あるんだけど、最初から順序だてて準備が出来るわけもなく、あれもこれも…と何から手をつけていいのか分からなくなります。
こちらの項目は、海外移住をする前に必ずやらなければいけない手続きを順番に解説します。
◆ 移住先の情報収集
◆ パスポートの準備
◆ ビザ取得の手続
移住先の情報収集
これはやるべきリストに入れなくても、誰もが自然とすることだとは思います。
ネットを検索すれば、ありとあらゆる情報がありますので、気になることは全てググってみることをお勧めします。
SNSなどには、よほど特殊な国でない限り移住先在住者のコミュニティも存在しますので、そこに参加してみるのもありだと思います。
旅行で訪れた方のブログも参考にはなるのですが、やはり在住者の情報は最強ですので、生の情報収集をするには最高のツールになります。
自分が住む予定の居住地がどのような場所なのか、スーパーや病院など、生活していくうえで絶対に必要なものが居住地からいける範囲内にあるのかどうかも確認しておくべきです。
パスポートの準備
海外移住に限らず日本を出国する際には必ず必要となるものです。
パスポートをお持ちでない方は、大体1週間~10日程度でできるので、すぐに作るようにしましょう。
パスポートをお持ちの方は、パスポートの期限を確認し、残存期限1年未満の方は更新しておくことをオススメします。
入国の際に国によっては、6ヶ月以上の残存期限を求められる国もありますし、そもそも移住して早々に慣れない国でパスポートの更新が必要になる…といった煩わしいことが起こらないように気をつけたいですね。
パスポートの必要残存期限は国によって違いますので、必ず入国前に確認しておきましょう。
パスポート残存期限確認:ビザ要否一覧(日本国籍) | 日本橋夢屋
万一海外でパスポートの期限が切れる場合は、各国にある在外公館(日本大使館・領事館)で発行可能ですが、その際にはいくつか必要な書類がありますので、日本出国前に書類を揃えておくとスムーズに更新ができます。
⒈一般旅券発給申請書(10年用又は5年用) 1通
⒉写真(縦45㎜×横35㎜)
⒊有効旅券
⒋必要に応じ本人確認,滞在資格を確認できるもの
⒌戸籍謄本又は抄本(原本を必要とします) 1通 (戸籍上の身分事項に変更がある場合)
戸籍謄本や抄本の原本以外は現地でも簡単に入手できるので、特に用意して持っていかなくても問題ないと思います。
戸籍謄本・抄本については、発行後6ヶ月以内の原本となっています。
その他、紛失などの場合は書類など準備するものも変わってきますので、詳細は外務省サイトで確認してください。
外務省公式サイト:日本国内及び海外でパスポートに関する申請手続きに通常必要な書類|外務省
ビザ取得の手続
短期旅行などであれば、日本のパスポート保持者は多くの国にビザ不要で訪れることができるので、ビザの申請は慣れない手続きとなります。
そのため、出発日時の融通が効かない方は、ビザの手続きに関しては、かなり余裕を持って始めることをお勧めします。
ビザの有無確認:ビザ要否一覧(日本国籍) | 日本橋夢屋
海外医療保険
短期の旅行ではクレジットカード付帯の保険でも充分にカバーできることが多いのですが、クレジットカード付帯の海外旅行保険は、最長でも3ヶ月までのカードが一般的なので、その後の保険をどうするかということになります。
もちろん毎回3ヶ月以内に帰国するのであれば問題ありませんが、年間4回の日本帰国の航空券代を考えると保険の方が安くなるのかな…と思います。
海外旅行保険に加入するにも、安くても数十万円単位の出費となります。
海外を転々とするノマドワーカーにとって最適な医療保険制度は、まだまだ数が少なく選択肢は限られますが、保険なしでの海外長期滞在は極力避けたいものです。
そんなノマドワーカー向けの保険もなくはないので、最も自分のたびスタイルに合った保険を検討しましょう。
世界中のノマドワーカーが利用している保険会社が「SafetyWing」や「World Nomads」になります。
どちらも日本語対応はしてないのですが、日本の保険会社より安いうえ、日本出発後でも加入が可能ですので、クレジットカード付帯の保険が切れる前に加入することもできます。
関連記事:ノマドワーカー向け:海外旅行医療・傷害保険4つの選択肢【ノマドライフ】
ただ、お金が絡むことですので、英語での申し込みなどが不安な方は、日本の保険会社で最適なものを探したほうがいいかもしれません。
海外移住:必要な準備
◆ 転出届・転入届・郵便転送届 | ◆ 国外転出届:住民票を抜く |
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◆ マイナンバーカード返納 | ◆ 公共料金の解約手続 |
◆ その他諸々の解約手続 | ◆ 運転免許証の更新 |
◆ 国際免許証の取得 | ◆ クレジットカード作成 |
◆ 国際キャッシュカード作成 | ◆ 予防接種 |
◆ 歯の検診・治療 |
この項目は全ての人には当てはまるものではないので、必要なものをピックアップして準備しましょう。
転出届・転入届・郵便転送届
現在の居住地を引き払っての移住であれば、必ず転出届が必要です。
なお、実家などがある方で、海外転出届を出さない方は、実家など国内の住所への転入届も忘れないようにしましょう。
「転出」「転入」「郵便転送」については、日本国内での引越しの際も必要なことですので、特に詳しい説明はありません。
国外転出届:住民票を抜く
移住期間が1年未満の方は、国外転出届は特に出さなくても良いかと思います。
ただ、住民票が日本にある以上、国民健康保険や年金、その他住民税などの出費があります。
国外転出届は、お住まいの市区町村の窓口で行えます。
手続きは簡単で、住民登録窓口にパスポートと必要事項を記載した住民異動届書(窓口で入手)を提出すれば手続き完了となります。
お住まいの自治体によって手続きの方法が違いますので、お住まいの地域の自治体のサイトで手続き方法の確認をしましょう。
出すメリット | 「国民健康保険」「国民年金」「住民税」の出費を抑えることができる |
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出さないメリット | 一時帰国の際に病院に気軽に行ける 国外滞在1年未満の間に病院に訪れた場合は、海外での医療費が戻ってくる (全額ではないので要注意) |
国外転出届を出した場合、国民健康保険は抹消となり、国民年金は強制加入から任意加入へと切り替わり、年金を払いたくない場合(語弊が否めませんが)は払う義務はないので払わなくても問題ありません。
住民税も同様に、住民票を抜いている状態ですので、払う必要がなくなり、年間で数十万円ほどの出費を抑えることができます。
国外転出届を出している場合、一時帰国などでく帰国した際に、万一病院にかかるようなことがあれば、全額負担となるので注意が必要です。
また、日本の国民健康保険に加入していれば、海外で病院にかかることがあった場合、帰国後申請をすればいくらか返金されます。
が、海外の医療費は日本と比べ物にならないほど高く、返金額は日本の医療費に換算された額となり、海外保険などでカバーしない限りとんでもない出費となります。
そのため、あまりメリットがないのかな…と思います。
ノマドワーカーとして海外を転々としつつ、日本にも年1~2回は帰ってきたいと目論んでいる私としては、かなり悩む部分なのです。
マイナンバーカード返納
マイナンバーカードを所持している方は、日本で23%しかいないという情報をどこかで見たのですが、私は積立口座を開設する際に必要で慌てて取得しました。
マイナンバーカードは、国外へ移住する際は、お住まいの市区町村役所の戸籍課(自治体による)に返納が必要となります。
それぞれの自治体で方法も変わってきますので、マイナンバーをお持ちという稀な方は、お住まいの自治体の方針に従って返納するようにしましょう。
また、帰国の際に手続をすれば、同じ番号で再交付されます。
公共料金の解約手続
独居の場合や家族で移住の場合で、電気・ガス・水道・NHKなどの解約手続きが必要な方は、忘れずに手続きをしましょう。
電気・ガス・水道のライフラインの解約手続方法でオススメなのは、「引越れんらく張」というサイトから一括で解約の申し込みが可能ですので、多少の手間が省かれます。
引越れんらく張公式サイト:引っ越し 手続き&公共料金の住所変更を一括サポート | 引越れんらく帳
NHKの解約手続きは、お住まいの窓口に解約手続の電話をすると、解約に必要な書類を送付してくれます。(約2~3週間)
NHK窓口確認:NHK受信料の窓口
NHKから書類が届くまでに結構な時間を要するので、少なくとも1ヶ月前には解約手続をしましょう。
解約書類到着後6週間以内の返送が必要となり、6週間を超えると解約自体がキャンセルとなり延々と受信料を徴収されることになるので気をつけてください。
書類が届いたら、必要事項を記載して返送して手続完了となります。
解約完了時、NHKからは解約完了などの連絡はありません。
その他諸々の解約手続
日本を出るとなると、様々な解約手続が必要となるので、一つずつ確実に忘れないように解約しましょう。
◆ 携帯電話
◆ 固定電話・インターネット
◆ 保険関連
◆ その他
携帯電話
携帯電話については利用停止方法として「契約休止」「格安SIMへ切替」と「解約」の3つの方法があります。
現在利用している電話番号を維持したい場合は、「契約休止」か「格安SIMへ切替」にすれば、携帯番号の維持が可能です。
契約休止は月額数百円ですがお金がかかるので、個人的にはモバイルナンバーポータビリティ(MNP)が使える格安SIMへの切替がオススメです。
「契約休止」の詳細については、お使いのキャリアサービスのサイトや店舗などに訪れて確認をしてください。
DoCoMo:長期間利用されないとき(海外赴任・留学など)の電話番号保管・解除 | お客様サポート | NTTドコモ
SoftBank:電話番号・メールアドレスお預かりサービス | スマートフォン・携帯電話 | ソフトバンク
「格安SIMへ切替」の場合は、「楽天モバイル」や「LINEモバイル」がモバイルナンバーポータビリティ(MNP)が使える格安SIMを取り扱っています。
現在利用の携帯番号を維持しなくても問題ない方は、解約手続をしても良いかと思います。
ただ、解約した場合、銀行やクレジットカードなどの登録電話番号の変更だったり、電話番号の必要な手続は多数ありますので、その辺を考慮したうえで最適な方法を選択しましょう。
解約の場合は、タイミングによって解約手数料がかかりますので、気をつけましょう。
固定電話・インターネット
固定電話を利用停止する方法は、「利用休止」「一時中断」「解約」の方法があります。
利用休止 | 電話加入権は維持できるが再開の際に電話番号の変更有 月々の維持費用はかからない |
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一時中断 | 電話番号を維持した状態を保てる 月額基本料金は毎月必要 |
解約 | この先使用する予定がない場合 |
プロバイダ提供のメールアドレスを使用している方は、解約と同時にアドレスも使用できなくなるので注意が必要です。
保険関連
保険会社によって規定が違うのですが、多くの場合現在加入している保険は継続可能なようです。
ただ、日本国内でしか適用できない保険が多いかと思いますので、解約・継続に関しては保険会社の方に相談してみましょう。
その他
雑誌の定期購読や新聞など、解約手続が必要なものに抜かりがないかの確認をしましょう。
✔ 新聞
✔ 雑誌の定期購読
✔ 衛星放送
✔ 定期宅配サービス
✔ 各種レンタルサービス
✔ 住宅セキュリティサービス
運転免許証の更新
運転免許証をお持ちの方は、必ず更新期日の確認をしましょう。
免許証の更新は誕生日を挟んで2ヶ月の間が更新期間となりますが、その期間に日本に滞在しない場合、やむを得ない理由により特例で更新することが可能です。
また、免許更新期日から3年以内であれば、やむを得ない理由として更新は可能ですが、通常の更新とは手続きが変わってきますので、必ず確認しておきましょう。
警察庁公式サイト:海外滞在中で日本の免許をお持ちの方|警察庁Webサイト
国際免許証の取得
移住先で車の運転を考えている方は、国際免許証の取得手続きも必要となります。
なお、既に本人が国外にいても、本人の免許証が提出可能で、申請する方との代理関係が明らかである親族などであれば代理申請が可能です。
警察庁公式サイト:国際運転免許証(国外運転免許証)を取得する場合|警察庁Webサイト
クレジットカード・国際キャッシュカードの作成
海外移住の際に必ず何枚か用意しておくことをオススメします。
クレジットカードには海外旅行保険付帯のものも多いですし、海外は日本とは比べ物にならないほどキャッシュレス社会です。
クレジットカードのみしか利用できない場所なども普通にあるので、最低でも1枚は用意しておきましょう。
クレジットカードをこれから用意する方は、極力「VISA」か「MasterCard」で、海外旅行保険の内容が豊富なものにしましょう。
JCBはアジアでは最近でこそ使用できる場所も増えたのですが、欧米では使えない事のほうが多く、あまり使い物にならないと思ってください。
我らがJapaneseブランド…悲しいかな、まだ世界には通用しきれてません。
国際キャッシュカードは、日本で入金したお金を海外のATMで外貨でそのまま引き出せるのでとても便利です。
緊急時に日本から急遽送金してもらう際にも、簡単且つ早いので1枚は持っておくことをオススメします。
キャッシュカードとデビットカード一体型であれば、口座にお金が入っていれば残高分であればクレジットカードと同じ感覚で利用できるのも魅力です。
ちなみに私はアメックスとジャパンネット銀行の国際キャッシュカード(デビットカード)を主に使用しています。
予防接種
これは移住先にもよりますが、東南アジアや南米・アフリカなどに移住される方は、検討すべきだと思います。
まず、一番分かりやすいのが「狂犬病」で、日本では狂犬病清浄地域となっており、1970年以降、海外からの輸入症例(帰国者)3件以外で近年狂犬病で死亡した人はいません。
ただ、世界的に狂犬病が撲滅されている地域は日本、英国、スカンジナビア半島の一部の国以外、いわば世界ほとんどの国で発生している感染症です。
特にアジア・アフリカでは狂犬病の死亡例が多く、年間6万人近くの方が狂犬病によって命を落としています。
そのため、予防接種は入国の際に必須ではありませんが、接種しておいても良いかと思います。
主な予防接種 | |
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破傷風 | 冒険旅行などでけがをする可能性の高い人 |
A型肝炎 | 途上国に長期(1か月以上)滞在する人、特に60歳以下 |
B型肝炎 | 血液や体液に接触する可能性のある人 |
狂犬病 | イヌやキツネ、コウモリなどの多い地域へ行く人で、 特に近くに医療機関がない地域へ行く人 動物研究者など、動物と直接接触する人 |
ポリオ | 流行地域に渡航する人 |
日本脳炎 | 流行地域に長期滞在する人(主に東南アジアでブタを飼っている農村部) |
ジフテリア | ロシア、東ヨーロッパへ渡航する方 |
黄熱 | 感染リスクのある地域に渡航する人 入国に際して証明書の提示を求める国へ渡航する人 |
厚生労働省検疫所公式サイト:FORTH|海外渡航のためのワクチン
ワクチンはすぐに接種できるものでもなく、全てを一度で接種できるものでもないので、余裕を持って接種するようにしましょう。
歯の検診・治療
これは必ずやることをオススメします。
虫歯はなかったとしても、親不知がある方は極力抜いて行った方が良いのかなとも思います。
歯の治療は何気に時間もかかるので、移住計画を具体的に始めたら歯医者さんに行くようにしましょう。
私の場合は、移住前の限られた時間で治さなきゃいけないということを歯医者さんに伝えると、そのスケジュールに合わせて治療をしてくれました。
親不知も虫歯ではないけど、定期的に痛む状況だったので抜歯してもらいました。
海外で歯の治療となると、高額な医療費がかかる上に、何かと不安がつきものだと思います。
極力日本で治療することをオススメします。
移住の際の持ち物
あまり多くのものは持って行きたくないのですが、日本でしか買えず絶対に譲れないものをピックアップして持って行くようにしましょう。
✔ コンタクトレンズ
✔ 常備薬
✔ 変換プラグ
✔ 変圧器
✔ 地球の歩き方
これについては、それぞれに要・不要あると思いますので、ご自身で確認をしましょう。
まとめ
海外赴任のような会社での転勤の場合、現地での居住地の手配などは会社から手配してもらえる方も多いかと思いますが、その分ここには上げてないような手続もあるかと思います。
ノマドワーカーであれば、都度臨機応変に対応できることも多いかと思いますが、日本でしかできない手続などは、日本出国前に抜かりなく終わらせていきたいものですね。
早くコロナが終息することを願いながら、日々海外移住について調べています。
私はもともと思いつきで行動するタイプで、結構衝動的なのですが、コロナのお陰で準備期間がたっぷりあります。
早く自由に海外に行きたいですね。
この記事が誰かのお役に立てれば嬉しいです♡